米商品先物取引委員会(CFTC)が、暗号資産取引所を対象とする新たな規制枠組みの整備に乗り出した。FTXのような大規模破綻の再発防止を念頭に、暗号資産の現物市場を対象とした連邦登録制度の導入を検討している。
Bitcoin Magazineによると、マイケル・S・セルリグ(Michael S. Selig)CFTC委員は7日(現地時間)、Fox Business Networkの番組「Varney & Co」に出演し、暗号資産取引所がCFTCに登録できる仕組みを整え、デジタル資産の現物市場を保護していく考えを示した。
セルリグ委員は、FTXの破綻を新たな規制が必要な象徴的事例として挙げた。「4年前、サム・バンクマン=フリードのFTXが崩壊し、顧客資金80億ドル超が失われた。そうした事態は、われわれの枠組みの下では起こり得ない」と述べた。FTX創業者のサム・バンクマン=フリード(Sam Bankman-Fried)は、詐欺などの罪で禁錮25年の判決を受け、服役している。
またセルリグ委員は、CFTCに登録されていたFTX関連会社では顧客資産が分別管理され、保護されていたと強調した。「サム・バンクマン=フリードのCFTC登録子会社では、資金が分別されていたため安全だった」とした上で、「連邦機関の中でも最も厳格な水準の市場規制を備えており、それを暗号資産市場にも持ち込みたい」と語った。CFTCも、FTXのCFTC登録子会社に保管されていた顧客資産は分別管理され、保護されていたと説明している。
CFTCは、暗号資産の市場構造を巡るクラリティ法案の成立が見送られた後も、既存権限を活用して制度整備を進めている。5日には、個人投資家向けにレバレッジ取引や証拠金取引などを提供する暗号資産プラットフォームを対象とした規制案について、意見募集を開始した。この案には、「暗号資産市場」という新たな連邦登録区分の創設も盛り込まれている。
新たな枠組みでは、取引所がCFTCに登録すれば、連邦レベルの規制を受けることになる。一方で、レバレッジを提供しない取引所は、州政府の認可制度の下にとどまることも可能とされる。
もっとも、CFTCはレバレッジと現物の受け渡しの範囲を広く解釈している。顧客が暗号資産を実際に受け取る前の取引であれば、代金を全額支払っていても規制対象になり得るという。
セルリグ委員は先月、市場が「24時間365日、オンチェーン」へ移行する流れを見据えているとも述べていた。CFTCは既存の金融市場に対する監督権限を活用し、暗号資産市場の取引構造に対応した監督枠組みを整備する方針だ。
今後は、取引所が事業モデルに応じて、州政府の規制下にとどまるか、連邦登録を選ぶかを判断する構図になりそうだ。