eスポーツ競技中のエネルギー消費を分析した研究。写真はイメージ(Shutterstock)

eスポーツの試合中は心拍数が大きく上昇する一方、エネルギー消費は軽度にとどまる――。チェコのマサリク大学などによる文献レビューで、こうした傾向が示された。研究結果は国際学術誌「Sports Medicine - Open」に掲載された。

研究チームは、eスポーツ競技中のエネルギー消費と生理反応を扱った関連文献176件を精査し、このうち条件を満たした5件を分析対象とした。

対象には、アマチュア選手とプロ選手の両方が含まれた。競技タイトルは「League of Legends」「Dota 2」などのMOBA、「Counter-Strike: Global Offensive」「Overwatch」などのFPS、「FIFA」シリーズといったスポーツゲームに及んだ。

各研究では、呼気ガスによる間接熱量測定のほか、心拍モニターや血液検査を用いて、試合中の生理的変化を測定した。座位安静時や、同程度の心拍数まで負荷を高めた自転車運動と比較した研究もあった。

心拍数の上昇は顕著だった。ある研究では、安静時に1分当たり約85回だった心拍数が、ゲーム開始から10分で137回まで上昇した。研究チームは、高い集中状態や競技プレッシャーによって交感神経系が活性化した可能性があるとみている。

一方、エネルギー消費は1分当たり約1.3〜2.5kcalにとどまった。別の研究では、競技中のエネルギー消費が安静時より約40%増加したものの、全体としては高強度の運動には及ばなかった。研究チームは、eスポーツの代謝負荷を総じて軽度の身体活動レベルと評価した。

試合中の心拍上昇は、身体活動そのものよりも、緊張や認知的負荷の影響が大きいと考えられるという。研究チームは、長時間座ったまま競技するeスポーツ選手の健康リスクを踏まえ、今後はより標準化された手法でエネルギー消費や長期的な健康影響を検証する必要があると指摘している。

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