写真=Mysten Labs

Mysten Labsは10月7日、Google Cloudと共同開発中のAIエージェント行動検証技術「VAA(Verifiable Agent Arbiter)」を公開した。企業がAIエージェントの行動履歴を検証し、付与した権限の範囲内で実行されたかを確認できる仕組みとして提供する。

同社によると、VAAは「証拠レイヤー」として機能し、AIエージェントがどのような判断や実行を行ったかを検証可能にする。取引の実行や他のエージェントとの交渉、企業間業務の処理まで担う利用環境を想定し、記録を生成した基盤に依存せず、その内容を検証できる仕組みを目指す。

VAAでは、エージェントの実行記録と、その完全性を担保する情報を分離して管理する。プロンプト、モデル出力、ツール呼び出し、ポリシー判断といった詳細な実行データは、顧客が直接管理するGoogle Cloud Storageに非公開で保管する。一方、記録の完全性を裏付ける暗号学的証明は、AI向け要件に合わせて設計したデータプラットフォーム「Walrus」に保存し、レイヤー1ブロックチェーン「Sui」と連携して管理する。

活用例としては、2社のエージェントがGoogle Cloud開発のオープンなA2A(Agent2Agent)プロトコルを通じて取引する過程で紛争が発生した場合、双方が同一の検証可能なレシートに基づき、問題となった業務プロセスを再現できるとしている。A2AはGoogle Cloudが開発し、Linux Foundationに寄贈した。

また、セキュリティチームは、統制外の処理や異常実行が疑われる場合に、関連する指示、ポリシー、判断、出力、ツール実行の履歴を再構成できる。保存済みのレシートは元の記録との結びつきを保ったまま、耐量子暗号を含む将来の暗号標準に沿って再検証できるという。

VAAは、決済処理サービスのファシリテーター「Sui Agent Payments」とも直接連携する。これによりエージェントはサービスを探索し、x402プロトコルを使ってAPI呼び出し費用を即時決済できるとしている。

Mysten Labsの共同創業者兼CEO、エバン・チェン氏は「AIエージェントが財務や法務に影響する意思決定を担い始めた以上、与えられた権限を逸脱しないことを保証する仕組みが必要になる。取引相手が誰であっても直接検証できる証拠が不可欠だ」とコメントした。

その上で「VAAは、エージェントに付与された権限、実際の行動、その結果に関する記録を集約し、それを裏付ける証明情報をSuiとWalrusに接続する。両ネットワークは中立性とレジリエンスを備え、自律型エージェントの速度と規模を支えるよう設計されている。Google Cloudとともに、こうした技術を企業の業務プロセスへ適用している」と述べた。

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