XRPを巡り、機関投資家の参入基盤を整える動きが広がっている。大量のXRPを保有するEvernus Holdingsは、8日にNasdaqで上場する予定だ。こうしたなか、MoonPayの機関事業部門を率いるキャロライン・ファム氏がRippleの本社で撮影した写真をSNSに投稿し、市場の関心を集めている。
ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、EvernusはAmada Acquisition Corp IIとの合併について株主承認を得た。ティッカーは「XRPN」で、8日にNasdaqで取引を開始する見通しだ。
同社はXRP4億7300万枚と現金3億ドル(約450億円)を保有しており、XRPを中核に据えた財務運用を掲げる。株主投票では賛成2050万株、反対140万株で合併案が承認された。
XRPを財務資産として保有する企業が米株市場に上場することで、機関投資家によるXRPへのアクセスが一段と広がるとの見方が出ている。Grayscale InvestmentsもXRPトラストの運用体制を見直し、Anchorage Digital Bankを追加カストディアンに採用した。
既存の主カストディアンであるCoinbaseとあわせ、機関投資家向けの保管インフラを強化した形だ。現金ではなく実際のXRPを用いる設定・償還の仕組みも導入され、機関投資家の流動性改善につながるとの期待もある。
一方、ファム氏のRipple訪問もXRPコミュニティで話題となった。ブロックチェーンメディアのDecryptによると、同氏はRippleのロゴの前で撮影した自撮り写真を公開し、説明は付けずに「目」の絵文字だけを添えた。
ファム氏は2022年、CFTC(米商品先物取引委員会)の臨時委員長を務めていた際にもRippleを訪問している。今回の投稿を受け、SNS上ではRippleとMoonPay、さらにXRPを結び付ける新たな動きがあるのではないかとの憶測が広がった。
XRPの解説者として知られるバンクXRPは「ゆっくり、そして一瞬で。大きなことが来る」と投稿。XRP Ledgerの開発者バードは「皆の視線がRippleに向いている」と反応し、インフルエンサーのザイプも「扉の向こうで大きなことが準備されている」と書き込んだ。
もっとも、過度な期待を戒める声もある。投稿に実質的な意味があるのか疑問視するフォロワーもおり、「何でもないことで期待させないでほしい」「また一つの話題にすぎず、価格は動かない」といった反応も出た。写真投稿だけで、提携や新製品投入を裏付ける材料はないとの見方だ。
ファム氏は現在、MoonPayの機関事業を率いている。MoonPayとRippleはいずれも、機関投資家向けのデジタル資産インフラや決済事業の拡大を進めており、市場では両社の協業の可能性に注目が集まっている。
ただ、現時点で新たな提携や製品投入に関する公式発表は出ていない。写真だけで実際の協業を断定するのは難しいという慎重な見方も根強い。
XRP Ledger(XRPL)でも、機関活用に向けた基盤整備が進んでいる。Ripple社長のモニカ・ロング氏は、XRPLを基盤とする実物資産トークン化の規模が25億ドル(約3750億円)に達したと明らかにした。
あわせて、取引をまとめて処理できるパーミッション・デリゲーションとバッチ機能も導入予定という。
一方、暗号資産市場全体の投資家心理はなお慎重だ。ビットコインは8万7200~8万7400ドルのレジスタンスラインを繰り返し突破できず、8万5600ドルまで下落した。米国のビットコイン現物ETFでも純流出が続いている。
それでもXRPを巡っては、上場、カストディ、トークン化の各インフラが同時並行で整備されつつある。機関投資家市場を中心に、活用領域がどこまで広がるかが注目点となる。