企業でガバナンスを備えたシマンティックレイヤーの整備が進んでいる一方、AIエージェントは実際には別の情報源から業務コンテキストを取得しているようだ。VentureBeatが6日、調査結果を報じた。
VentureBeatの調査「VB Pulse」によると、シマンティックレイヤーを「本番運用中」「試験導入中」「構築中」と答えた企業の割合は、6月の58%から7月に63%、8月には67%へと増えた。シマンティックレイヤーは、「売上」の定義や最新の顧客レコードがどれかといった社内データの意味をそろえる仕組みを指す。
ただ、これをAIエージェントの主なコンテキスト源として挙げた割合は、6月が21%、7月が19%、8月が13%にとどまった。
8月調査では、回答者の64%が、過去6カ月以内にAIエージェントが自信を伴った誤答を返した原因として、コンテキストの不足や不一致を挙げた。
AIエージェントのコンテキスト源として最も多かったのは文書検索で32%だった。SQLやAPI、MCPサーバを通じて業務システムに直接クエリを投げる方式は21%で、7月の11%から大きく伸びた。大量の文書をそのままモデルに投入する方式は19%だった。
VentureBeatによると、直接クエリ方式と文書の一括投入方式は、いずれも統一された用語定義を基本的に含まないという。
一方で、シマンティックレイヤーを導入している企業の方が、誤答の経験率は高かった。
8月調査では、導入企業の78%が「AIエージェントが自信を伴った誤答を返したことがある」と回答した。これに対し、検討中、または導入予定がない企業では37%だった。
この点について報告書は、2つの可能性を示している。1つは、シマンティックレイヤーが正答の基準として機能し、誤りを見つけやすくしたという見方だ。もう1つは、先に誤答の問題を経験した企業が、その対策としてシマンティックレイヤーの構築を進めたという見方で、調査結果だけではどちらが実態に近いかは判断できないとしている。