韓国政府が進める独自AI基盤モデルの評価用データセット構築事業で、一部の事業者が複数回参加していたことが明らかになった。6日に開かれた国会科学技術情報放送通信委員会の国政監査で指摘が出され、韓国科学技術情報通信部は重複参加の事実を認めた。一方で、優遇や利害関係には当たらず、公正性にも問題はないと説明した。
問題が取り上げられたのは、韓国科学技術情報通信部に対する国政監査の場だ。キム・ジャンギョム議員は、独自AI基盤モデルの評価に活用された政府のデータセット構築事業について、参加事業者の顔ぶれがほぼ同じだと指摘した。
キム議員は、2025年の知識データセットと長文データセットについて「主幹事業者だけが入れ替わり、実質的には同じコンソーシアムだ」と主張。さらに、これらの事業者が2026年の社会的安全性データセット構築にも再び参加すると述べた。
これに対し、リュ・ジェミョン第2次官は、主幹機関と参加機関の双方において重複参加した機関があることは事実だと認めた。そのうえで、該当機関は政府のデータ提供事業に継続的に参加してきた専門性のある機関であり、重複参加がそのまま優遇や公正性の問題を意味するものではないと説明した。
また、実際のデータセット構築では、数学分野で韓国科学技術院(KAIST)の著名な数学教授が参加するなど、専門性を確保する手順を踏んだと強調した。独自AI基盤モデルの参加企業との利害関係についても「全く問題はなかった」と述べた。
この日の国政監査では、既存の独自AI基盤モデル事業と、政府が追加で推進するフロンティアAI事業との関係を巡る質疑も行われた。
パク・ジョンハ議員は、政府がこれまで独自AI基盤モデルを通じて世界最高水準のAIモデル開発を掲げてきた一方、最近になってフロンティアAI事業が新たに打ち出されたとして、両事業の違いと推進の背景をただした。
ペ・ギョンフン副首相兼韓国科学技術情報通信部長官は、独自AI基盤モデル事業について「第2次評価を終え、第3次プロセスに入っている」と説明した。第3次では、世界で使われているオープンウェイトモデルに近い水準のモデル開発を目標にしているという。
さらに、独自AI基盤モデル事業は今後も継続するとしたうえで、既存産業や公共分野への普及を進め、AIの活用性を高めながら、世界水準のモデル開発を目指す考えを示した。
一方、フロンティアAI事業については、既存の独自AI基盤モデルよりも一段高い水準のモデル開発が必要だと強調した。
ペ副首相は、独自AI基盤モデルは従来の目標に沿って進めつつ、フロンティアAIでは、これまで解決が難しかった人類的課題やサイバー安全保障への対応を視野に入れた追加事業が必要だと判断したと説明した。
そのうえで、現在の独自AI基盤モデルの水準では、産業・公共分野で使うAIとしては限界があるとの認識を示し、フロンティアAIモデルの確保に向けた検討が進んでいると述べた。