高齢の親や子どもなど、家族の資金管理を担う「金融ケア」層が、銀行にとって新たな成長市場として注目されている。こうした層は一定の規模を持つ一方、既存の銀行サービスは需要を十分に取り込めていないという。
FintechFuturesが6日(現地時間)に報じた。第三者の資産や日々の支出を管理する顧客は多いものの、銀行側の機能や制度はなお実情に追いついていないとされる。
金融ケアには、認知症の親の資金管理、未成年の子どもの金銭管理の支援、障害のある家族や回復期にある家族の支出サポートなどが含まれる。
True Linkは、こうした層が銀行にとって付加価値の高い顧客層だと説明する。一般顧客に比べ、住宅ローンや与信枠を保有している可能性が68%高く、投資口座の保有率は94%高いとしている。
銀行が家族向けの金融サービスを適切に提供できれば、預金の積み上げに加え、追加の金融商品の販売や長期的な顧客基盤の構築につながるとの見方だ。
一方で課題もある。既存の銀行システムは、家族による共同管理のニーズに柔軟に対応しにくい。個人情報保護や口座アクセスに関するルールのため、家族が支援を必要としていても、銀行が提供できる機能が限られる場合があるという。
True Linkは対応策として、取引通知の細かな設定、利用上限額の設定、加盟店カテゴリの制限、特定加盟店のブロックといった機能を提供している。例えば、オンライン決済や電話決済のうち詐欺リスクの高い取引は遮断しつつ、定期料金の支払いや食料品の配送サービスは利用を認める、といった運用を想定している。
同社によると、こうした管理機能によって、顧客が望まない支出は年間平均で約1700ドル(約25万5000円)減少するという。
また、家族の状況に応じて保護の水準を段階的に調整できる点も特徴として挙げた。True Linkは、金融機関がこうした機能に加えて従業員向けの教育も提供すれば、詐欺被害の抑制と世代をまたぐ金融関係の維持を両立でき、長期的な顧客維持や収益拡大にもつながるとしている。