SECの暗号資産カストディ規則案を受け、ビットコイン投資の経路拡大に注目が集まっている。写真=Shutterstock

米証券取引委員会(SEC)が打ち出した暗号資産カストディ規則案を巡り、投資助言会社によるビットコインの直接保有が広がる可能性があるとの見方が出ている。ビットコイン上場投資信託(ETF)の主要カストディ基盤を担うCoinbaseは、こうした制度整備が進めば、資産運用分野でのビットコイン活用が広がるとして期待を示した。

Bitcoin Magazineが10月5日付で報じたところによると、Coinbaseの最高事業責任者(CBO)シャン・アガーワル氏は、SECの規則見直しによって、金融アドバイザーや資産運用会社がビットコインにアクセスする手段が広がる可能性があると述べた。Coinbaseは主要なビットコインETF向けにカストディサービスを提供しているほか、投資助言会社向けの支援も手がけているという。

SECはこれに先立ち、投資助言会社と規制対象ファンドによる暗号資産の保管方法を明確にするカストディ規則の改正案を公表した。提案では、適格カストディアンを利用できない場合、投資助言会社やそれを通じて運用されるファンドが、顧客の暗号資産を直接保有できる枠組みを整えるとしている。

SECは、暗号資産カストディを巡る規制の不透明さを解消し、制度面の整理を進める考えを示している。

Coinbaseは、今回の制度変更が単にビットコイン投資商品の選択肢を増やすだけではなく、資産運用市場全体でビットコインへのアクセスを広げる契機になるとみている。個人が取引所で直接購入するルートに加え、金融アドバイザーや資産運用会社を通じた保有が広がれば、ビットコインへの資金流入経路も一段と多様化するとの見立てだ。

機関投資家需要の拡大も重要な論点となっている。記事では、BlackRockやJPMorganなど大手金融機関がビットコイン関連インフラに求める要件や、伝統的金融がビットコインやデジタル資産市場への参入を進める流れが主要テーマとして取り上げられた。Coinbaseは、カストディを軸に、機関投資家、投資助言会社、ETFをつなぐ金融インフラの提供者としての役割を強調した。

Coinbaseのライアン・バングラック副社長は、SECの規則案について、規制の枠組みが明確になるほど機関投資家の資金は流入しやすくなると説明した。ビットコインの直接保有とETFは競合するものではなく、双方に拡大余地があるとの見方も示した。

Coinbaseは、ビットコイン以外の領域でも金融インフラの拡充を進めている。自社の清算所が米商品先物取引委員会(CFTC)の承認を得たことに触れ、トークン化は電子取引以降の金融市場インフラを大きく変える可能性がある技術だと強調した。トークン化が進めば、既存の金融市場で必要とされてきた仲介プロセスを減らせるとしている。

ステーブルコインも注力分野の一つだ。Coinbaseは、ステーブルコイン市場には1兆ドル規模の機会があるとし、Citiと企業向けステーブルコイン決済インフラの構築を進めていると説明した。Citiの顧客が銀行システムと暗号資産システムを別々に構築することなく、法定通貨とステーブルコインを行き来できるよう支援する仕組みだという。

このほか、Coinbase One Cardを通じたビットコイン保有拡大の可能性、ビットコインのライトニング活用、AIエージェントの決済手段としてのビットコインとステーブルコインの競争、収集品や日常消費に関する報酬サービスの拡大なども議論された。Coinbaseが取引所の枠を超え、カストディ、決済、トークン化、資産運用インフラへと事業領域を広げている構図が浮かび上がる。

2本のインタビューを通じてCoinbase側は、制度金融の中でビットコインへのアクセスが広がる局面では、規制の明確化と金融インフラ整備が重要になると訴えた。SEC案が最終規則として固まり、投資助言会社による直接保有が進めば、ビットコイン市場の競争領域は取引サービスにとどまらず、カストディや決済、機関向けインフラへ広がる可能性がある。

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