Texas Instruments(TI)は10月2日、オープンソースのリアルタイムOS(RTOS)「Zephyr Project」への対応を、自社の組み込み製品群全体に拡大すると発表した。対象はマイクロコントローラ(MCU)、マイクロプロセッサ(MPU)、ワイヤレス製品。量産向けの統合開発環境を提供し、半導体ベンダー切り替え時の移植負担軽減と、欧州連合(EU)のサイバーレジリエンス法(CRA)への対応を後押しする。
組み込み開発では、ソフトウェアのエコシステムが分散していると、半導体ベンダーを変更するたびにコードの再作成が発生しやすい。TIは、Zephyrベースの単一開発環境を用意することで、こうした負担を抑えられるとしている。
開発者は、既存のオープンソースのワークフローやZephyrのコードベース、ツールチェーンを維持したまま、TIの半導体へ移行できる。ZephyrコミュニティがSDK公開前にTIのコードを事前レビューするため、量産展開時にも安定したコードベースを維持しやすいという。
セキュリティ面では、Linux Foundationの長期サポート体制を活用する。TIは脆弱性対応のため、Zephyrベースのソフトウェア開発キット(SDK)を定期的に更新する。
また、GitHubでCI/CDを通じて提供される新機能やリソースを活用すれば、最終SDKに反映される前の段階から利用できるとしている。
TIはこのほか、検証済みリリースに加え、移行ガイドや後方互換性に関する情報も提供する。10年以上のライフサイクルを想定したTI半導体ベース製品の保守負担を軽減する狙いがある。CRAへの対応は、EU市場を狙う開発者にとって大きな障壁の一つを下げる手段になるとしている。
TIのワイヤレス部門でバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるマリアン・コスト氏は、「TIとZephyrにより、開発者はTIのMCU、MPU、ワイヤレスの各ポートフォリオを通じて、設計から拡張までに必要な基盤を活用できる」とコメントした。