画像=ChatGPT

メールマーケティングでAIの活用が急速に広がっている。ただ、顧客との信頼関係に直結するメッセージまで自動化すると、かえって逆効果になりかねないとの指摘が出ている。

TechRadarが9月30日(現地時間)に報じたところによると、Litmusの調査「State of Email 2026」では、マーケターの28%がAIをメール業務に本格導入していると回答した。34%は定期的に利用していると答え、まったく利用していないとの回答は5%にとどまった。回答者の78%は、キャンペーンの作成から配信まで3日以内で完了するとしており、自動化が業務スピードの向上に寄与している実態もうかがえる。

AIの活用領域は、件名や本文の草案作成、画像生成、配信時間の最適化、顧客離反の可能性分析、自動配信シーケンスの設計などに及ぶ。一方で、自動化の範囲が広がるほど、誤った割引率や終了日、対象顧客設定の誤りを含んだまま大量配信してしまうリスクも高まる。GoogleはGmailの一括送信者に対し、ユーザー報告ベースのスパム率を0.1%未満に抑え、0.3%を超えないよう求めている。

信頼面への影響も無視できない。調査では、米国の消費者の40%が、小売事業者から届くメールがAIで作成されたと知った場合、信頼が損なわれる可能性があると答えた。米国の会社員1100人を対象とした別の研究では、上司がAIを軽微な編集に使った場合、80%超がメッセージを真摯に受け止めた一方、AIの関与度が高まるとこの割合は40〜52%まで低下した。

法的リスクもある。ワシントン州は今年、商用メールの件名に虚偽または誤解を招く内容が含まれ、送信者がそれを認識していた、あるいは客観的状況から認識し得た場合に責任を問えるよう、関連法を改正した。AIが作成したことを理由に、送信者の確認責任が免除されるわけではない。

実務面では、草案作成やデータ分析、反復作業の自動化はAIに任せつつ、価格や割引率、キャンペーン終了日といった中核情報は人手で再確認する運用が現実的とみられる。とくに主要顧客向けの謝意や関係維持に関わるメールでは、AIの利用を軽微な編集にとどめる方が、信頼維持の面で有利だと分析されている。

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