写真=KT。ソウル市内の病院で、病院関係者に「医療標準モデル」を説明するKT社員

KTは10月1日、病院ごとの需要に応じてインフラ、医療データプラットフォーム、AIサービスを組み合わせた「医療標準モデル」の導入を、全国の上級総合病院と総合病院向けに拡大すると発表した。病院のAI転換(AX)需要を取り込む狙いだ。

同社は、医療従事者や病院経営陣を対象とした分析を踏まえ、患者案内、診療行政、人員・施設運営、医療データ活用など、病院業務全般でAXの適用余地が大きい領域を洗い出した。これを基に、患者の診療体験の改善、医療従事者の業務効率向上、病院運営の効率化を支援する標準モデルを構築した。

患者との接点業務では、「AI患者アシスタント」を展開する。AIボイスボットが24時間体制で問い合わせに自動対応し、症状を分類して予約受け付けを支援するほか、退院後のフォロー案内も提供する。2027年1~3月期には、医療知識を反映したRAG機能を追加する予定だ。

このほか、看護スケジュールエージェントや手術室スケジュールエージェントも提供する。医療データプラットフォームでは、電子カルテ、医療画像、検査・研究データなどを収集・保存し、医療情報交換標準に基づいてデータを連携する。院内の医療データ検索に加え、AI学習用データの構築や、医療AIの開発・検証環境の提供まで見込む。

診療行政支援エージェントは、医療従事者の事務負担軽減に活用する。医療従事者と患者の診療時の会話を認識・分析し、医療用語や略語を反映した診療ノートを作成する。診療科ごとのテンプレートや書式も適用し、医療従事者の確認・承認後には、電子カルテや検査・処方システムと連携することで、診療記録の作成からオーダー、請求までの業務自動化につなげる。

KTは今後、医療専門企業のソリューション、医療データプラットフォーム、ハイブリッドクラウドなどの基盤を組み合わせ、標準モデルの適用範囲を診断・読影や医療従事者の意思決定支援分野へ広げる方針だ。統合した患者の臨床情報や画像情報を基に、診療指針や治療根拠を提示するAIがん診断臨床意思決定支援システム(CDSS)や、内視鏡画像をリアルタイムで分析するAI内視鏡読影にも対応可能としている。

同社は医療標準モデルを軸に、政府の「AI基本医療戦略」に含まれるAI特化病院関連事業にも参加し、病院ごとの環境に応じたサービスの検証と適用範囲の拡大を進める。医療AXの専門組織も整備する。今月は総合病院の関係者を招いた医療AXセミナーを開き、医療の生産性向上と病院経営の革新策を議論する予定だ。

KTのキム・ボンギュン エンタープライズ部門長(副社長)は、「病院ごとにシステムやデータ環境、AX推進の優先順位は異なる。KTのインフラとAXの能力を組み合わせ、必要なサービスを導入しながら段階的に拡張できる基盤を提供する」と述べた。

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