米カリフォルニア州は27日(現地時間)、州および地方政府の公職者によるミームコインの発行と宣伝を禁じる法案を成立させた。2027年1月1日以降に発行された公職者関連のミームコインについては、デジタル資産サービス提供事業者による州民向け提供も制限する。
ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、ギャビン・ニューサム知事が同日、政治家に結び付いたトークンの発行を防ぐ法案に署名した。
新法では、公職者によるミームコインの発行を禁じる。対象は州・地方の選出職と任命職に加え、州議会議員や、政府傘下の委員会・諮問機関の構成員まで幅広い。諮問権限のみを持つ組織も対象に含まれる。
ミームコインの定義も広く、インターネットミーム、公人、有名人、架空の人物、時事問題、オンライン上のユーモアなどに関連するデジタル資産を含むとした。
一方で、Dogecoinのような既存のミームコイン全般を禁じるものではない。規制対象は、公職者と結び付いたミームコインの発行や宣伝、およびその提供に限られる。
流通面では、デジタル資産サービス提供事業者に対し、2027年1月1日以降に発行された公職者関連ミームコインをカリフォルニア州民に提供することを禁じる。発行そのものの禁止に加え、州内での販売・提供ルートも制限する内容だ。
州議会は、公職者が発行または宣伝する金融商品が利益相反を招く恐れがあると判断した。こうした仕組みは、「ペイ・トゥ・プレイ(pay-to-play)」型の取引や、外国勢力による影響力行使のリスクを高める可能性があるとしている。
法案推進の背景には、匿名性の高いブロックチェーンウォレットを通じて資金移動が行われ得る点への懸念もある。ミームコインは容易に作成できるうえ、匿名性の高い暗号資産取引と組み合わさることで、外国勢力や特別利益集団が介入する余地が広がるとの見方だ。
公職者の地位とトークン発行が結び付けば、資金の流れに対する監視が及びにくくなるとの懸念も法案に反映された。
執行面では、刑事罰よりも民事執行に軸足を置く。カリフォルニア州司法長官は、違反行為の停止を求める差し止めを申請できるほか、裁判所に対して不当に取得した疑いのある資金の返還も求められる。
また、地方検察官や市の法務責任者、郡の法務顧問も、公職者や公的職員によるミームコイン発行禁止違反に対応できる。
法案は大きな異論なく可決された。州上院では40対0、下院では78対0で可決され、その後、知事署名を経て成立した。
今回の法整備は、カリフォルニア州政界が公職者に関連するデジタル資産を単なる投機的商品ではなく、公職倫理や資金による影響力行使の問題として捉えていることを示した格好だ。
今後の焦点は、2027年1月1日以降に導入されるサービス提供事業者への販売・提供制限が、実際にどのように運用されるかに移る。公職者関連トークンの範囲とミームコインの判断基準が広く定義されているため、州内のデジタル資産流通事業者には、上場・提供基準の一段の厳格化が求められる可能性がある。