Ethereumが反発基調を強め、2800ドル回復が視野に入ってきた。デリバティブ市場では未決済建玉(OI)が膨らみ、現物市場でも買い需要が確認されている。一方で、Binanceへのポジション集中や清算増加が、相場変動を大きくする可能性も意識されている。
ブロックチェーンメディアCryptopolitanによると、Ethereumは暗号資産市場全体の上昇基調を背景に2770ドルまで上昇した。出来高は219億ドル(約3兆2850億円)と、直近1カ月のレンジ上限に近い水準まで拡大。第3四半期の上昇率は累計74.6%に達し、低迷が続いた2四半期を経て、価格帯を一段切り上げる動きが鮮明になっている。
9月に入ってからも上昇基調は続く。Ethereumは今月に入り約11%上昇し、市場心理も「恐怖」から「強欲」へ傾き、センチメント指標は70まで上昇した。一部トークンがBitcoinを上回る値動きを見せる中、Ethereumの堅調さも市場全体の回復基調を映している。
デリバティブ市場ではBinanceの存在感が大きい。CryptoQuantによると、取引所全体のEthereumの未決済建玉は160億ドル(約2兆4000億円)まで拡大し、このうち68億ドル(約1兆200億円)がBinanceに集中した。BinanceのEthereum未決済建玉は1月以来の水準まで回復しており、ここ数週間の積み上がりも速い。
もっとも、ポジションの偏りは一方向ではない。Binanceではショート比率が50%近くに達しており、2800ドル近辺までショートポジションが積み上がっている。このため、現時点では一段高の局面で大規模なショートスクイーズにつながる可能性は大きくない。むしろ、価格上昇が続いた場合には、強制清算の増加によってボラティリティが高まる展開が想定される。
それでも市場では、清算後のポジション再構築は速い。Ethereumのデリバティブ取引はしばらく伸び悩んでいたが、前四半期から段階的に持ち直しており、足元ではリスク選好の回復もうかがえる。未決済建玉の拡大はBitcoinやSolanaでも見られるが、Ethereumでもポジションの積み増しが目立っている。
現物市場でも買いは入っている。Bitmineは最近、ETHの買い増しを進めており、現在はEthereum供給量の4.9%を保有している。
オンチェーンデータでは、大口投資家が市場に出回る流動性を吸収する動きも確認された。直近では、Hyperliquidの大口投資家1人が数日にわたって1107BTCを売却した後、現物のEthereumを購入し、ステーキングした。
一方、取引所残高は減少している。現在、取引所に残るEthereumは約1480万枚で、このうちBinance分は約380万枚だ。供給量が増えるなかで取引所残高が減っていることは、現物需要の強さを示す材料とみられている。
市場では、Ethereumが反発基調を維持しても、この水準で積み上がったロングが先に振り落とされる可能性への警戒が残る。今後の焦点は、2800ドル台に定着できるかに加え、Binanceを中心に積み上がった未決済建玉が上昇持続の支えとなるのか、それともボラティリティ拡大の要因となるのかにある。