暗号資産の大口投資家(クジラ)のウォレットが過去24時間で、約722万ドル相当の中小型アルトコイン9銘柄を買い付けた。資金はDeFiや実物連動資産(RWA)、ステーブルコイン、AI関連の銘柄に分散しており、下落局面での押し目買いとの見方も出ている。
22日、ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、このウォレットは9銘柄に資金を振り向けた。買い付けの中心となったのは、分散型金融(DeFi)やRWA関連のプロジェクトだ。
購入額が最も大きかったのはLighter(LIT)で、37万8129LITを約140万ドルで取得した。これに続き、Ethena(ENA)は661万ENA、Ondo(ONDO)は300万ONDOを、それぞれ約134万ドル分買い付けた。
このほか、Aerodrome(AERO)115万4000AERO、イーサリアム(ETH)241.8ETH、Quant(QNT)2944QNT、Uniswap(UNI)6万1252UNI、Bittensor(TAO)1387TAO、Pepe(PEPE)433億PEPEを購入した。
今回の動きは、資金の向かい先がビットコインや大型銘柄ではなく、中小型アルトコインに偏っている点が特徴だ。資金の大半が中小型トークンに投じられたことから、主要銘柄より大きい上昇余地を狙った可能性がある。
主要な購入銘柄の短期的な値動きはまちまちだった。最大の購入額となったLITは過去1日で約7%上昇し、3.69ドルで推移した。平均取得単価の3.70ドルに近い水準だ。
ENAは直近24時間で約2.5%下落し、0.199ドルを付けた。1週間前の0.2437ドル前後から10月18日に0.178ドルまで下落した後、いったん持ち直したものの、従来の水準回復には至っていない。
ONDOは1日で4%超下落し、0.435ドルで取引された。AEROは主要購入銘柄の中で下落率が最も大きく、1日で約4.6%安の0.807ドルとなり、平均取得単価の0.82ドルをやや下回った。
イーサリアムは約1%安の2428ドルと、比較的落ち着いた値動きだった。ただ、平均取得単価の2444ドルは下回った。
こうした買い付けの背景については、押し目買いと投資テーマの選別が意識された可能性がある。複数の銘柄が高値から大きく下落し、買い付け当日も軟調だったことから、戻りを追うのではなく、下落局面で数量を積み増したとの見方が出ている。
購入銘柄は、特定の投資テーマとも重なる。ENAはステーブルコイン、ONDOはトークン化RWA、UniswapとAerodromeは取引プラットフォーム、BittensorはAI関連として位置付けられる。単なる分散投資にとどまらず、テーマを意識したポジション構築だった可能性もある。
もっとも、単一ウォレットの買いだけで相場の反発を判断するのは難しい。買い付けが直ちに価格上昇を意味するわけではなく、同じ数量が短期間で売却される可能性もある。中小型アルトコインは大型銘柄より値動きが荒く、上昇・下落ともに振れ幅が大きくなりやすい点にも注意が必要だ。
今後の焦点は、このウォレットが追加で買い増すかどうか、そしてENA、AERO、ONDOの下落基調が落ち着くかに移る。今回の買い付けは、調整色の強いアルト市場で、クジラ資金がどの銘柄やテーマに向かうのかを示す一例といえそうだ。