ペ・ギョンフン副首相兼科学技術情報通信部長官は10月23日、4兆7000億ウォン規模の「フロンティアAI」事業について、「大統領の指示で進めている事業ではない」と述べた。国会科学技術情報放送通信委員会の総合国政監査で明らかにした。
同日の質疑では、与党「国民の力」のパク・ジョンハ議員が事業推進の経緯をただした。これに対しペ副首相は、米Anthropicの高性能モデル「ミトス」の登場を受け、フロンティアAIの確保が必要だとの認識が強まり、事業化に向けた議論が進んだと説明した。
その上で、大統領への公式な報告は7月の国家財政戦略会議が初めてだったとし、「大統領の指示事項ではない」と強調した。大統領本人の受け止めについては、直接確認していないと述べた。
科学技術情報通信部は当初、独自AIファウンデーションモデルプロジェクトの精鋭チームにフロンティアAIの開発を担わせる案を検討していた。ただ、既存のGPU支援事業の延長として進めた場合、特定企業に支援が集中するとの懸念があったという。
ペ副首相は「当初は、独自AIファウンデーションモデルの第3次評価後に選ばれる2社にフロンティアAIを開発させる案を構想していた」と説明した。GPU支援の規模が1000基から1万基に拡大すれば、「特定企業への集中支援」と受け止められる可能性があったとも語った。
このため、当初は出捐方式を想定していた支援の枠組みを、財政当局との協議を経て出資方式に見直したという。科学技術情報通信部は2027年度予算案に、フロンティアAI関連として4兆7000億ウォンを計上した。
モデル規模については、独自AIファウンデーションモデルがパラメーター数で3000億〜1兆規模であるのに対し、フロンティアAIでは2兆超のモデル開発を想定していると説明した。
事業推進の過程を巡っては、資料提出を巡る議論にも言及した。パク議員は、政府出資方式で進めるフロンティアAI事業に関し、会議資料や議事録の提出を求めたが、科学技術情報通信部の対応は不十分だと指摘していた。
これについてペ副首相は、「複数回にわたって議論したが、会議記録が残っているケースと、そうでないケースがある」と説明。記録が残る資料に加え、独自AIファウンデーションモデル参加企業や専門家との協議資料も議員側に提出したと述べた。
一方で、フロンティアAI事業の具体的な出資構造や、特別目的会社(SPC)の運営案は、現時点で固まっていない。
ペ副首相は「フロンティアAIを必ず成功させるため、最適な案を導き出したい。議員側とも協議していく」と述べた。