韓国国会の科学技術情報放送通信委員会による国政監査で、AIスマートグラスの違法撮影リスクが論点となった。写真=デジタルトゥデイ

韓国国会の科学技術情報放送通信委員会による国政監査で、AIスマートグラスを使った違法撮影や個人情報侵害のリスクが争点に浮上した。撮影中であることを示す表示灯を隠すステッカーまで流通しているとして、政府に早急な対応を求める声が上がった。

最大野党「共に民主党」のイ・ジョンホン議員は23日の国政監査で、スマートグラスを通じて監査会場内をリアルタイムで撮影した映像を公開し、違法撮影の可能性を指摘した。

イ議員はタブレット端末で会場の映像を示し、「録画ではなく、リアルタイムで送られてくる映像だ」と説明した。さらに、一般の眼鏡とスマートグラスを着用した補佐官を並べ、見た目だけでは撮影の有無を判別しにくい点も問題視した。

議員側は、Metaの「Ray-Ban Smart Glasses」のように、カメラやマイク、スピーカーを搭載し、写真・動画撮影や音声操作に対応する製品が普及しつつあると説明した。一般的な眼鏡に近い外観のため、周囲が撮影に気付きにくいことが懸念材料だとした。

特に問題として挙がったのが、撮影状態を知らせる発光ダイオード(LED)の表示灯を隠すためのアクセサリーだ。イ議員は、表示灯を覆う目的のステッカーがオンラインで40枚2000ウォン(約220円)程度で販売されていると説明した。

悪用事例もすでに出ている。5月に韓国国内で実施されたTOEIC定期試験では、スマートグラスを使った不正行為の試みが摘発された。試験問題の撮影や外部送信に悪用される恐れがあるとして、試験会場での管理強化の必要性も指摘された。

海外でも規制強化の動きが広がっている。オーストラリア政府は、政府庁舎やサービスセンター、研究所など連邦政府の事業所でスマートグラスの使用を禁じる案を検討している。ノルウェーやオランダでも関連規制の強化が進んでいるという。

一方、韓国国内では、違法撮影や個人情報侵害への制度対応がなお不十分だとの指摘が出ている。イ議員は、科学技術情報通信部が進める関連の政策研究についても結論が出るのは来年夏になるとし、普及のスピードを踏まえれば対策を急ぐ必要があると主張した。

これに対し、ペ・ギョンフン副首相兼科学技術情報通信部長官は、「個人情報保護委員会や警察など関係当局と連携し、市場動向を注視している」と述べた。その上で、「省庁横断の枠組みで早期に対応策を整える」と明らかにした。

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