生成AIで開発速度は上がる一方、成果物の品質には課題が残ることが示された。写真=Shutterstock

Linux Foundationの調査で、生成AIの導入により開発者のコード作成時間は平均52%短縮された一方、成果物の品質低下がレビューや保守の負担増につながっている実態が明らかになった。保守担当者は、寄せられるプルリクエスト(PR)の25%が低品質な「AIスロップ」に該当するとみており、その傾向は大規模プロジェクトでより強かった。

TechRadarが現地時間22日に報じたLinux Foundationの報告書によると、回答者はAI導入後、コード作成にかかる時間が平均で52%減ったと見積もった。

一方で、保守担当者は、流入するPRの4分の1が低品質なAI生成コードだと評価した。

AIで生まれた余力は、別の開発業務にも振り向けられていた。回答者の66%は、確保した時間を技術的負債の解消に充てると回答。新機能の開発は63%、学習やスキル向上は58%だった。

ただ、個々の開発者の生産性向上が、開発プロセス全体の効率化にそのまま結び付くわけではない。コード生成が速くなるほど、保守担当者が品質やセキュリティを確認すべき対象も増えるためだ。コード作成で削減された負担が、レビュー工程へ移っている構図といえる。

コードレビューにおけるAIの効果も、作業の難易度によって差が出た。単純な作業では有効だった一方、回答者の21%は、複雑な作業ではかえって時間がかかると答えた。

AI生成のレポートに含まれる誤検知や重複提出も、レビュー担当者の時間を奪う要因として挙がった。

提出前の検証や、AIを使ったことの開示も十分に徹底されていなかった。AI生成コードを詳細に確認し、機能全体をテストしたうえで提出すると答えた回答者は61%にとどまった。

AI利用の事実を後続の担当者へ共有する手順も徹底されておらず、最終検証を担う保守担当者の負担を押し上げている。

こうした負担は、大規模プロジェクトでより顕著だった。保守担当者の59%は、生成AIの普及後にコードの投稿が増えたと回答し、大規模プロジェクトでは69%に達した。

大規模プロジェクトに寄せられるPRのうち、低品質な「AIスロップ」と推定される比率も31%と、全体平均を上回った。

その一方で、管理体制の整備はAI普及のスピードに追い付いていない。生成AIの利用を公式に認める方針を持つプロジェクトは35%にとどまり、関連方針がなく、今後も整備予定がないとする回答も32%に達した。

Linux Foundationは、現場からAIを排除するのではなく、運用ルールと管理体制を強化すべきだと指摘した。AI活用に関する明確なコントリビューション基準を整備し、コードテストの実施とAI利用の開示責任を投稿者に求める必要があるとしている。

あわせて、保守担当者が流入するPRを効率的にさばけるよう、関連ツールの改善も必要だとした。

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