米スポーツ予測市場のUnderdogは年内に、予測市場口座へステーブルコインや暗号資産を直接入金できる機能を導入する。インフラ提供を手がけるZerohashと提携し、対象ユーザーは銀行の営業時間に縛られず、夜間や週末でもアプリから口座へ入金できるようになる。
ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが10月22日付で報じた。今回の提携についてUnderdogは、入金スピードの向上と決済手段の拡充を狙いに掲げる。Underdogで決済責任者を務めるアーティック・アドラは、ステーブルコインやオンチェーン資産によって、より多くの選択肢とスピードを提供できると説明した。
Zerohashで売上責任者を務めるアダム・テサンも、資金を世界中で24時間移動できる点を強調した。
需要の裏付けもある。7月にUnderdogを買収したIG Groupが10月に公表した内容によると、Underdog顧客の46%は過去に暗号資産の取引経験があった。さらに42%が、暗号資産でUnderdogのウォレットに資金を入れる方法を好むと回答した。個別株の取引経験があるとの回答は58%だった。
IG Groupは、スポーツファンと個人投資家の需要が重なる点を、Underdog買収の背景の一つとして挙げている。
予測市場全体も拡大が続いている。TRM Labsによると、月間取引規模は2025年初めの約12億ドルから、2026年1月には200億ドルを超える水準へ拡大した。月間アクティブユニークウォレット数も80万件を上回った。
Artemisが10月23日に公表したデータスナップショットでは、直近1年間の予測市場取引規模は約4000億ドルだった。内訳はスポーツ関連契約が42.7%、暗号資産関連契約が14.6%を占めた。
Underdogはこれまで、Crypto.comの米商品先物取引委員会(CFTC)承認デリバティブ部門を活用してスポーツ契約を提供してきた。その後、2026年7月18日に自社の予測市場プラットフォームを立ち上げた。
今回のZerohashとの提携は、外部インフラに依存した提供から一歩進み、自社プラットフォーム上に暗号資産入金機能を組み込む動きと位置付けられる。
Zerohashは他の予測市場でも同様の機能を展開している。2026年7月にはProphetXに暗号資産およびステーブルコインの入金機能を実装した。今回の提携により、既存の暗号資産保有者にとっては、保有資産をそのまま活用できる選択肢が広がることになる。
一方、サービスの一部はニューヨーク州で提供されない可能性がある。また、口座内で保有する暗号資産やステーブルコインは、米連邦預金保険公社(FDIC)および証券投資者保護公社(SIPC)の保護対象外だ。
制度面の不透明感も残る。CFTCは2026年10月9日、イベント契約をスワップの定義に明示的に含める案を提案した。
今回の取り組みは、予測市場口座への入金手段を銀行口座中心からデジタル資産へ広げる試みとして注目される。ただ、実際の成果は年内の提供開始後の利用動向と、今後の規制環境の変化に左右されそうだ。