ビットコインは8万ドル近辺を維持しているものの、現物ETFへの資金流入ペースには急減速がみられている。市場では、機関投資家の平均取得単価とされる8万ドル台が短期的な下値の節目として意識されており、金曜に発表される物価指標が今後の資金流入と相場の下支えを左右する可能性がある。
22日(現地時間)、ブロックチェーンメディアのCryptoSlateによると、ビットコインはETFへの資金流入が鈍るなかでも、8万ドル水準をおおむね維持した。
8万ドル台は、機関投資家の資金が厚く積み上がった価格帯として市場で注目されている。この水準を上回って推移すれば、買い手の損益分岐点が保たれる一方、下回れば短期的なセンチメント悪化につながる可能性がある。
一方、資金フローは大きく鈍化した。Farside Investorsの集計によると、ビットコイン現物ETFの純流入額は19日の5億2670万ドルから20日には2320万ドルへ縮小し、1日で95.6%減った。いずれの日も純流入は維持したが、流入ペースは急速に落ち込んでいる。
ETF経由の新規需要も、直前の取引日ほどの勢いはみられなかった。市場では、金曜の物価指標を前に積極的なポジション拡大を控え、様子見姿勢が強まったとの見方が出ている。
市場の関心は、足元の需給からマクロ要因へ移りつつある。金曜公表の物価指標が金利見通しに影響すれば、現物ETFへの資金流入の強さとビットコインの下値支持が同時に試される公算が大きい。純流入が続いても規模が小幅にとどまれば、8万ドル台の維持力は弱まりかねない。逆に、物価指標が市場の警戒感を和らげれば、鈍化したETF需要が持ち直す余地もある。
もっとも、現時点でETFの資金流入が純流出に転じていない点は確認しておく必要がある。19日、20日ともに純流入は確保された。ただ、5億ドル超だった流入額が1日で2000万ドル台まで縮小しただけに、市場は流入の有無よりも、そのペースの変化に敏感に反応する可能性が高い。
当面の焦点は2つある。ビットコインが機関投資家の平均取得単価とされる8万ドル水準を維持できるかどうか。もう1つは、鈍化したETFへの資金流入が金曜の物価指標通過後に再び加速するかだ。価格の維持と資金流入の回復がそろって確認されれば、8万ドル台の持つ意味合いもより明確になる。