PHPの重大な脆弱性をきっかけに、Node.jsやLiteLLMでも欠陥が明らかになり、インターネット基盤の安全性を巡る懸念が強まっている。各国ではサイトの遮断を含む緊急対応が広がっており、AIエージェントを悪用した攻撃事例も相次いで報告されている。
とりわけ警戒感が高まっているのは、Webサイト開発で広く使われるPHPの致命的なセキュリティ欠陥だ。直ちにパッチを適用できないケースもあり、各国では暫定措置としてWebサイトを停止・遮断する動きも出ている。
サポートが終了した旧版PHPを利用している場合は、修正プログラムそのものを適用できないという。
PHPで見つかった2件の重大な脆弱性を巡っては、パッチ公開の4日前から、攻撃対象となるサーバーの探索が始まっていたとの指摘もある。
韓国政府も影響を注視し、注意喚起に乗り出した。韓国のセキュリティ企業も、対応支援サービスを相次ぎ打ち出している。
一方、AIを悪用したハッキングの動きも各国で広がっている。
Microsoftによると、中国政府と関係するハッキング組織が、中国のAIエージェントを使って世界の企業数百社を攻撃した。ハッキング組織「ストーム-0940」は、中国のエンジニアが開発したオープンソースベースのAI侵入テストツール「Artex」を用い、複数産業にまたがる世界の数百の組織に対する攻撃を自動化したという。
ハッキング組織CyberCartelは、Anthropic、SpaceX、中国のMoonshot AIのモデルを基盤とする複数のAIエージェントを使い、中南米の金融機関約400社を狙った攻撃を自動化していたことが分かった。
このほか、ハッカーがAIコーディングツールの公開コードを悪用し、利用者のAIアカウントに不正請求を発生させる事案も起きている。
関連分野では、セキュリティ企業各社による新製品や新機能の投入も続いている。
Comtrue Technologyは近く、「Sherlock Holmes AI DLP」の新機能を公開する予定だ。同社によると、同製品は既存のエンドポイントDLP、ネットワークDLP、生成AI DLPの限界をAIで補完する情報漏えい対策製品で、誤検知や見逃しが多い従来型DLPの課題解消に重点を置くとしている。
Naru Securityは、従来はファイアウォールログ中心だった侵害評価技術をWeb領域に拡張したAI Web防御サービス「ZeroTiCA Lite Web」を投入した。
Sparrowは日本のIT展示会に参加し、AI生成コード向けのセキュリティアシスタント「Sparrow MCP」を披露した。現地市場の開拓を加速する方針だ。
AhnLabは13日から、シンガポールで開かれるグローバルセキュリティ会議「GovWare 2026」に参加し、統合ブランド「AhnLab AI Plus」を前面に、AI SOC、IT・OT融合のサイバーフィジカルシステム(CPS)セキュリティ、脅威インテリジェンス(TI)の能力を紹介した。
Microsoftは、企業内で稼働するAIエージェントを「エージェント型内部者(agentic insider)」として捉え、統制策を提示した。
Anthropicのレッドチームが、スマートTVを介して自己拡散するAIワームを作成したと公表して以降、その現実性を巡る議論が続いている。もっとも、セキュリティ業界では、Anthropicが投げかけた警告について、現時点では実現可能性は高くないとみる向きが多い。