写真=AeroVironment(30kW級レーザー兵器「LOCUST X3」)

米陸軍は、対ドローン用途のレーザー兵器について、専用車両に固定搭載する方式から、汎用トラックに載せ替え可能なモジュール型への転換を進める。米ITメディアのTechRadarが22日、AeroVironmentが30kW級レーザー兵器「LOCUST X3」で9月に初期量産契約を獲得したと報じた。

LOCUST X3は、重量約9kg〜600kgのグループ1〜3ドローンの迎撃を想定して設計されたシステムだ。同社によると、1回あたりの交戦コストは10ドル未満。3月の業界報告書では5ドルとされたが、同社は具体的な算出根拠を明らかにしていない。

出力は任務に応じて20〜35kWで運用できる。独自のAIシステム「Halo Pinpoint」が、探知から追跡、交戦までを担う。

米陸軍は2022年、オクラホマ州フォートシルでレーザー搭載のストライカー車両を運用する防空大隊の運用を再開したが、信頼性の問題を受けて方針を見直した。新方式では、レーザーを着脱式フレームに載せ、車両間で移設できる構造を採る。

このため、搭載車両が整備中でも、兵器本体を別のトラックに移して運用を継続できる。

陸軍指向性エネルギー事業団の主任エンジニア、カーク・ウィリアムズ氏は、システムの信頼性は十分な水準に近づいているとしながらも、実戦運用には整備や修理のしやすさが欠かせないと強調した。陸軍の防衛火力事業責任者であるガイ・イェルバートン准将は、「駐車場にあるすべての車両が対象だ」と述べた。

一方で、レーザー兵器には制約もある。1基で同時に対処できるドローンは1機に限られ、目標までの距離が伸びるほどビームの威力は大きく低下する。煙や砂塵、悪天候も効果を弱める要因となる。

バッテリーによる連続照射時間は約80〜120秒で、消耗後は再充電が必要になる。30kW級は高出力レーザーとしては比較的低出力で、LOCUST X3の主用途は小型ドローンの迎撃となる。

米陸軍は、早ければ2028年初めにもLOCUST X3の運用を始める計画だ。これとは別に、150kW級のコンテナ型高出力レーザーの開発も進めている。

LOCUST X3の導入契約額は4億6480万ドル。AeroVironmentは8日、5000万ドル超の初の海外受注も獲得した。

AeroVironmentと米陸軍は8月、南部国境周辺でのドローン迎撃を含む複数回の実戦テストを実施したとしているが、具体的な交戦データは公表していない。

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