Dell Technologiesは10月22日、NVIDIAと連携する「Dell AI Factory」の強化策として、デスクサイド向けのエージェンティックAIソリューションと、用途別のAIインフラ製品群を発表した。開発者向けの小規模環境から大規模な企業導入までを視野に、デスクサイド機器からモジュール型データセンターまでラインアップを広げる。
新たに投入するのは、リファレンスデザイン「Dell Deskside Agentic AI Solutions for NVIDIA」だ。
各ブループリントには、エージェンティックAIのユースケース実装に必要なハードウェア、AIモデル、ソフトウェアスタックを盛り込む。対象分野として、エージェンティックコーディング、エージェンティックVSS、NVIDIA NemoClaw、NemoClawベースのHermes Agent(Agent on NemoClaw)、高等教育向けAIラボプラットフォームなどを挙げた。
同社によると、こうした構成により、少人数の開発者向け環境から、1000超の全社規模システムまでエージェンティックAIを拡張できるとしている。
ハードウェアでは、「Dell Deskside Agentic AI」のラインアップも拡充する。個人開発者や小規模チーム向けの「Dell Pro Precision with GB10」は、64GBの統合メモリを搭載して投入する予定だ。
このシステムは2台または4台をクラスタ接続できる。より大規模なモデルの実行や、より多くのAIエージェントの活用に加え、複雑なAIワークフローの処理にも対応するという。
「Dell Pro Precision with GB300」はWindows環境向けに提供する。既存のWindows管理環境の中で、最大748GBのコヒーレントメモリと20ペタフロップス(FP4)の演算性能をデスクサイドで利用できるようにする。
Dell Technologiesは、エージェンティックAIを含むAIワークロードの拡大を踏まえ、高密度かつ高効率のコンピューティング基盤も投入する。AIインフラ容量の拡張に加え、増加するトークン需要とコストへの対応を支える柔軟性と性能を提供するとしている。
モジュール型データセンター分野での実績を踏まえ、Dellは「NVIDIA DSX POD」リファレンスデザインを適用したモジュール型データセンターも展開する。コンテナ型の「Dell AI Factory」には、コンピューティング、ストレージ、ネットワーキングに加え、ラック単位の電力供給と液体冷却システムを組み込む。
CPUベースのエージェンティックAI処理向けには、「Dell PowerEdge M9882」サーバを用意する。単一の48Uラックに256基のNVIDIA Vera CPUを搭載し、GPUサーバと連携して、エージェンティックAIワークロードのオーケストレーション、ツール利用、コード実行、評価などを処理する設計だという。
Dell Technologiesのマイケル・デル会長兼CEOは「AIインフラが成長、生産性、競争優位を左右する重要な指標となる中、企業は関連予算の拡大と再配分を進めている。Dell TechnologiesはNVIDIAと協力し、企業が自社で保有・管理するインフラ上で、エージェンティックAIを実験段階から実運用で成果を生む段階へ進められるよう支援している」と述べた。
NVIDIAのジェンスン・ファンCEOは「AIエージェントは推論し、ツールを使い、学習する。そのためには新たなコンピューティング環境が必要になる。DellとNVIDIAは、デスクトップからデータセンターまで、AI時代に必要なコンピューティング基盤を共同で構築し、AIエージェントを安全に開発・運用できるよう支援している」とコメントした。