Red Hatは10月22日、NVIDIAとの協業を拡大し、「Red Hat AI Factory with NVIDIA」を通じて、企業向けエージェンティックAIの安全な導入を支える参照設計を共同開発すると発表した。オープンハイブリッドクラウド全体で、セキュリティと統制を備えたAI基盤の整備を進める。
両社は、企業向けエージェンティックAIの導入基盤において安全性とガバナンスを確保するため、「OpenShell Reference Architecture」を共同で開発している。Red Hat AI Factory with NVIDIAは、この取り組みを支える位置付けとなる。
OpenShell Reference Architectureは、Red HatとNVIDIAが主要な貢献企業として参画しているオープンソースプロジェクトで、エージェント向けのサンドボックスランタイム「OpenShell」を基盤とする。
このアーキテクチャでは、Model-as-a-Service(MaaS)におけるアクセス制御やAI Gatewayに加え、vLLMおよびllm-dによる高性能推論機能を組み込む。さらに、NVIDIA Dynamo、NVIDIA NIM microservices、GPUオーケストレーション技術とも連携する。
AIエージェントの活用が広がる中、推論需要も拡大しており、最適化された実行基盤や効率的なモデル提供方式の重要性が増している。こうした動きを踏まえ、両社はRed Hat AI Factory with NVIDIAをベースに共同の参照設計を整備したとしている。
また、オープンソースコミュニティの技術を活用し、標準化されたガードレール、運用可視化、ランタイムの安全性を提供する方針だ。
Red Hatは、企業インフラが高負荷のエージェントワークロードに対応できるよう、NVIDIAとのハードウェア面での連携も強化している。これにより、NVIDIA Vera Rubinをはじめとする次世代アーキテクチャに対し、提供開始と同時に対応するとしている。
「Red Hat Enterprise Linux for NVIDIA」は、NVIDIA Vera CPUにも対応し、エージェント処理や演算ワークロードに最適化した性能を提供するという。
Red Hatは今後、OpenShell Reference Architectureを「Red Hat AI」および「Red Hat AI Factory with NVIDIA」に標準プラットフォーム機能として統合するため、NVIDIAとオープンソースコミュニティとの連携を進める。
Red HatのAI事業部バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、ジョー・フェルナンデス氏は、「エージェンティックAIにおけるセキュリティ強化は、エンタープライズコンピューティングの次の革新を支える重要な要素だ。しかし、自律型エージェントを大規模に展開するには、信頼性と安全性に加え、インフラとの円滑な統合が欠かせない」とコメントした。
その上で同氏は、「Red HatはOpenShellのようなオープンソースコミュニティでNVIDIAとの協業を深め、最適化された推論アーキテクチャと、リリース初日からのハードウェアサポートを提供している。IT意思決定者がAIエージェントを大規模に導入するための、信頼性の高い基盤を提供する」と述べた。