資産運用会社のGrayscaleは21日(現地時間)、保有する暗号資産を現金化せず、自社の暗号資産ETPに振り向けられる現物拠出(in-kind)を導入したと発表した。対象はBTCやXRP関連を含む10商品で、投資家の自己保管(セルフカストディ)負担の軽減や取引コストの圧縮を見込む。
ブロックチェーンメディアのCryptopolitanによると、適格投資家は従来のように暗号資産を売却して現金を拠出する必要がなく、保有するデジタル資産に応じてGrayscaleのETP口数を受け取れるようになる。
対象となるのは、Bitcoin、Solana、Ethereum、Dogecoin(DOGE)、Chainlink(LINK)、Zcash(ZEC)に加え、Avalanche(AVAX)、Hyperliquid(HYPE)、Sui(SUI)、XRP関連の商品を含む10商品。Grayscaleが運用する暗号資産商品の広い範囲をカバーする。
最低投資額は各商品の市場価格によって異なる。公表データベースでは、Grayscale Solana Staking ETF(GSOL)が約8万300ドルで最も低く、Bitcoin Mini Trust ETF(BTC)が約36万4800ドルで最も高い。これらの金額は推計値で、暗号資産価格の変動に応じて変わる可能性がある。
同社は、現物拠出によって投資家がウォレットを直接管理する負担を減らせるほか、売却後に再購入する手間や取引執行コストの削減にもつながると説明している。従来型のポートフォリオ運用に暗号資産を組み込みやすくする狙いもあるという。
現物拠出の活用は市場全体でも広がっている。現物拠出に対応するBitcoin ETPの取引活動比率は、3月の28%から6月には62%へ上昇した。今回の導入も、こうした市場動向を踏まえた対応と位置付けている。
Grayscaleは9月30日時点の運用資産残高(AUM)を基に、自社を世界最大のデジタル資産投資プラットフォームと位置付けている。今回の仕組みにより、暗号資産を直接保有する投資家が、現金化を経ずに同社のETPへ投資する選択肢が広がることになる。
現物拠出の対象商品は、Grayscale Avalanche Staking ETF($GAVA)、Grayscale Bitcoin Mini Trust ETF($BTC)、Grayscale Chainlink Trust ETF($GLNK)、Grayscale Ethereum Staking Mini ETF($ETH)、Grayscale Dogecoin Trust ETF($GDOG)、Grayscale Hyperliquid Staking ETF($HYPG)、Grayscale Solana Staking ETF($GSOL)、Grayscale Sui Staking ETF($GSUI)、Grayscale XRP Trust ETF($GXRP)、The Zcash ETF($ZCSH)。