英金融行為監督機構(FCA)は21日、分散型金融(DeFi)事業者に求められるマネーロンダリング対策などの遵守指針と、暗号資産規制の適用除外範囲を巡る協議を開始した。2027年10月に予定する新たな暗号資産規制体制の導入を前に、既存ルールの適用範囲を明確にする狙いがある。
Cointelegraphによると、英国が暗号資産規制の制度整備を進める中、今回の協議はDeFiとステーブルコインを巡る具体的な適用の考え方を整理する位置付けとなる。
FCAが同日公表した通知では、協議は2本立てとなっている。1つは、DeFiサービスを提供する企業がマネーロンダリング対策や金融犯罪関連規定をどのように遵守すべきかを示す遵守指針の策定。もう1つは、直近の英法改正を踏まえた暗号資産規制の適用除外対象に関する意見募集だ。
FCAは新たな規制を打ち出すというより、既存ルールの適用範囲を明確にすることに軸足を置く。DeFiの仕組みが既存の金融規制の枠組みと接する領域を整理し、事業者に課される義務の線引きを明確にする考えだ。
業界側はかねて英国当局に規制の明確化を求めてきた。英国暗号資産事業協議会は、DeFiを金融サービス分野で最も革新的な領域の1つと位置付けている。
その上で同協議会は、英国が明確な規制基準と遵守要件を示せば、責任あるイノベーションが国外に流出しない制度的枠組みを整えられると指摘し、FCAが今回の作業を適切に取りまとめる必要があると強調した。
今回の協議は、英国が導入を予定する新たな暗号資産規制体制とも連動する。規制案は2027年10月に施行される予定だ。
これに先立ちFCAは、9月30日に新制度の対象となる暗号資産事業者からの申請受け付けを開始した。関連企業には、規定に沿った登録または必要な体制整備を2027年2月28日までに終えるよう求めている。
今回の協議は、申請受け付け開始から数週間後に打ち出された追加対応であり、制度施行前にDeFiや特定の暗号資産に関する適用範囲を具体化する流れの一環といえる。
このため、英国市場での事業継続を目指す暗号資産企業は、DeFiサービスの設計やステーブルコインの運用方法が、既存のAML規定や新たな暗号資産法制とどう結び付くのかを点検する必要がありそうだ。
FCAが規制緩和ではなく既存ルールの境界整理を重視する中、最終ガイドラインの文言や適用除外の認定範囲が、事業者対応の焦点になりそうだ。