LG Electronicsは10月22日、韓国水資源公社と連携し、始華湖潮力発電所でAIを活用した運用高度化とデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進すると発表した。両社は同日、京畿道安山市の始華潮力文化館で、「始華湖AI潮力発電所推進に向けた技術協力に関する業務協約」を締結した。
協力の柱は、AI潮力発電所の実現に向けた技術検証だ。AI、デジタルツイン、ロボットの実証に加え、再生可能エネルギーとAI転換分野の研究開発、政策案件への共同対応、海外案件の開拓と市場参入も進める。韓国水資源公社が持つ発電所運営の知見やデータと、LG Electronicsのスマートファクトリー構築の実績を組み合わせ、同発電所へのAI適用の可能性を共同で検討する。
LG Electronicsは、実設備を仮想空間上に再現するデジタルツイン基盤の統合運用体系を実証する。発電所全体を仮想化し、発電設備とCCTVのリアルタイムデータを連携させることで、発電量の予測や設備状態の診断につなげる考えだ。LG AI研究院の「EXAONE」を基盤とするAIエージェントについては、故障の兆候を事前に捉える予知保全やリスク評価、発電量損失の要因分析などへの活用を検討する。
現場の自動化では、AIがロボットなどの物理デバイスを直接制御するフィジカルAI技術を活用する。多機能パトロールロボットとAI CCTVが施設巡回や設備点検、危険区域の監視を担い、産業用ロボットは予備部品の保管・供給や資材運搬を自動化する。
今回の協約により、LG Electronicsのスマートファクトリーソリューション事業は、従来の製造・物流中心からエネルギー・インフラ分野へと対象領域を広げることになる。
同事業は開始から2年で、2026年上半期の累計受注額が1兆ウォン(約1100億円)を超えた。当初は電子、電装、バッテリーなど製造業の顧客が中心だったが、最近では物流分野へも顧客層が広がっている。同社は、発電容量ベースで世界最大とされる始華湖潮力発電所で技術適用の可能性を検証し、その結果を国内外のエネルギーインフラプロジェクトへ展開する際の参考事例としたい考えだ。
LG Electronicsスマートファクトリーソリューションセンター長のイ・スンギ氏は、「製造現場で蓄積してきたスマートファクトリーの力を公共インフラ分野にも適用できる点で意義が大きい」とした上で、「韓国水資源公社とともに始華湖潮力発電所のDXを支援し、運営効率と安全性の向上につなげていく」と述べた。