米商品先物取引委員会(CFTC)は、借り入れを伴わないビットコインの現物購入であっても、条件によっては先物関連規制の対象になり得るとの予備的見解を示した。判断に当たっては、信用供与やレバレッジ提供の有無に加え、購入した資産が「実際に引き渡された」といえるかどうかが焦点となる。
ブロックチェーンメディアのCryptoSlateが21日(現地時間)に報じた。CFTCは、暗号資産取引の規制枠組みに関する意見募集文書の中で見解を公表した。購入者が実際に借り入れを利用したかだけでなく、取引時に信用供与やレバレッジの利用条件が提示されていたか、さらに購入資産が実際に引き渡されたかも判断材料になるとした。
今回のポイントは、購入者が借り入れやレバレッジの提案を受けても、それを利用しなかったという事実だけでは規制対象外にならない点だ。CFTCは、こうした条件が付された個人向け取引であれば、購入者が代金を全額支払っていたとしても、「実際の引き渡し」など法定の例外要件を満たすまでは、先物関連規制の適用を受ける可能性があるとしている。
もう一つの争点は、「実際の引き渡し」の有無だ。CFTCは、購入者が資産を実効的に保有し、管理できる状態にあるかを重視する姿勢を示した。暗号資産の場合、ウォレットの秘密鍵などアクセス権限を購入者が確保しているかが判断要素となり得る。一方、取引所の内部台帳上で保有が記録されているだけでは、「実際の引き渡し」とは認められない可能性がある。
現行の制度上では、取引後28日以内に実際の引き渡しが行われる場合などを例外としている。CFTCは、利用者が管理する外部の非カストディアル型ウォレットに暗号資産を移す方法であれば、一般にこの例外要件を満たし得ると説明した。代金の支払い方法だけでなく、購入資産を誰が管理し、どのような形で移転するかが、規制適用の有無を左右する要素になるという。
もっとも、今回の解釈は、ビットコインの現物購入を一律に先物取引とみなすものではない。取引に信用供与の提案が含まれていたか、購入者が関連規定の適用対象に当たるか、「実際の引き渡し」などの例外要件を満たしているかを総合的に判断する必要があるとしている。単に借り入れを使わなかったという一点だけで結論は出せない、というのがCFTCの立場だ。
このため、取引所や仲介サービスにとっては、決済手段だけでなく、契約設計や資産の保管・移転の仕組みも重要な検討項目になりそうだ。現物購入と表示された取引であっても、信用供与の条件が組み込まれ、資産の管理権限が取引所側に残る場合には、規制上の評価が変わる可能性があるためだ。
今回の文書は確定ルールではなく、意見募集段階で示された予備的な解釈に当たる。CFTCは12月14日まで関連する意見を受け付ける。今後は、信用供与の提示がどこまで規制対象を広げるのか、また「実際の引き渡し」と認められる具体的条件をどう整理するのかが主な論点になりそうだ。