写真=Tether

Tetherは、ボリビアのフィンテック企業Pesoにプレシード段階で出資した。調達資金は、ボリビアに加えブラジル、コロンビア、アルゼンチンでUSDTを活用した決済インフラの拡大に充てる。出資額は公表していない。

Cointelegraphが21日に報じたところによると、Pesoはステーブルコイン決済を加盟店や銀行システムと接続するサービスを手がけている。Tetherは、銀行や加盟店の決済システムを通じてUSDTと現地通貨をつなぐインフラの拡充を支援するとしている。

Pesoはすでに、ボリビアでフードデリバリー事業を展開するYangoにUSDT決済を導入している。利用者はステーブルコインで注文代金を支払える。加盟店向けにはQR決済や店舗向け決済端末を提供するほか、ボリビアの銀行システムに接続したバーチャル口座にも対応する。この口座は自動振替システム(ACH)で稼働する。

今回の出資は、ボリビアでUSDTベースの金融サービスが広がる動きと重なる。融資プラットフォームのTalaも20日、El Doradoと提携し、デジタルウォレットから直接融資を提供すると発表した。これにより利用者は、Tempoブロックチェーン上でUSDT建ての融資を受け、返済できるようになったという。

ボリビアでは、2025年以降のドル不足と高インフレを背景に、ステーブルコイン需要が拡大している。外貨へのアクセスが難しくなるなか、一部企業は商品購入時の決済手段としてUSDTの受け入れを始めた。こうした動きを受け、政府も暗号資産やステーブルコインを既存の金融システムに取り込む方策を検討してきた。

制度整備も進んでいる。ボリビア政府は2025年11月、暗号資産とステーブルコインを金融システムに統合する計画を示し、銀行によるデジタル資産のカストディや、暗号資産連動型の金融商品の容認を盛り込んだ。さらに2026年7月には、USDTをボリビアーノや米ドルと並ぶ決済・貯蓄・貿易の手段として活用できるようにする規制枠組みの検討を始めた。

Pesoの事業モデルは、単なる暗号資産決済の導入にとどまらない。USDTを現地通貨、銀行ネットワーク、加盟店の決済網に接続し、実店舗を含む決済経路を広げることに主眼を置く。すでにフードデリバリー、対面加盟店決済、銀行送金まで対応領域を広げている。

今後の焦点は、Pesoがボリビア以外の3カ国でも同様の仕組みをどの程度のスピードで構築できるかだ。制度整備と銀行網との連携が進めば、南米の一部市場でUSDTが決済や貯蓄の手段として一段と浸透する可能性がある。

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