英暗号資産金融サービス企業のBlockchain.comは、暗号資産のオプション取引を開始した。Lane Kasselman共同CEOは、暗号資産市場が機関投資家主導の「クリプト春」に入ったとの見方を示し、米国の政治・規制環境や同社の事業戦略について説明した。
21日付のBitcoin Magazineによると、Kasselman氏は、機関投資家が現在の暗号資産市場を主導していると評価した。今回のオプション取引の開始は、現物取引とウォレットサービスに加え、派生商品分野へ事業領域を広げる動きと位置付けられる。ただ、公開資料では立ち上げ初期の実績や具体的な取引規模は明らかにされていない。
米政界で暗号資産業界への超党派の支持が広がっているとの認識も示した。Kasselman氏は、議会ではデジタル資産業界がこれまでで最も強い超党派支持を得ているとしたうえで、どの政党が主導権を握っても、業界の成長の勢いを維持すべきだと強調した。
一方で、規制整備はなお課題として残る。Kasselman氏は、Clarity法案の立法が停滞するなかでも、米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)では30件超のルール整備が進んでいると説明した。連邦レベルの立法とは別に、規制当局による詳細ルールの整備が続いているとの認識だ。米各州の送金業ライセンス制度についても、事業拡大の障害に挙げた。
ウォレット事業では、国ごとの利用者ニーズの違いを重視する姿勢を示した。Kasselman氏は、自己管理型ウォレットとカストディ型ウォレットのどちらを選好するかは国によって異なると説明。Blockchain.comはこうした違いを踏まえ、ウォレット機能と取引機能を一体で提供する戦略を続けているという。
同社はトークン化市場について、取引・決済・資産移転をつなぐ流動性レイヤーを担うことを目指している。今後の主要論点として、AIエージェントの決済手段にも言及した。Kasselman氏は、AIエージェントがステーブルコインやビットコインで取引代金を決済する可能性があると述べた。
今後の焦点は、立法の遅れが事業拡大に及ぼす影響に加え、機関投資家マネーが派生商品やトークン化市場へどこまで広がるかに移りそうだ。