写真=Anthropic

Anthropicは21日(米国時間)、個人向けAIエージェント「Claude Duet」の研究プレビューを始めたと発表した。連携したアプリを横断して情報を確認し、タスクの整理や一部実行を担う。米国のClaude有料会員のうち、登録ユーザーから順次提供する。

Claude Duetは、ユーザーが都度指示しなくても接続済みアプリを確認し、必要な作業を整理して対応するのが特徴だ。毎朝、連携アプリから重要事項や対応項目をまとめた短いブリーフィングを提示し、注意が必要な案件が発生した場合はメッセージで知らせる。

対応範囲は、日程調整のような単純な管理業務から、複数ツールを使ったダッシュボード作成、財務・営業予測、プロトタイプ作成、Webアプリ構築まで幅広い。重要な作業をユーザーに代わって実行する前には、承認を求める仕組みとしている。

基盤にはAnthropicのAIモデル「Claude Opus 5.5」を採用した。従来のようにClaudeのチャット画面を開いたままにする必要はなく、Webに加えてAndroidとiOS向けの独立アプリでも利用できる。

自社の仮想マシンとクラウドベースのブラウザを活用し、バックグラウンドで処理を継続する。既存のClaudeのメモリー機能や各種機能、連携アプリをそのまま活用でき、過去の会話も検索可能だ。成果物は調査レポート、財務モデル、プレゼンテーション、ダッシュボードなどのファイルとして出力できる。

Stripeとも連携し、未払い請求の確認や督促メッセージの作成に対応する。LinkおよびShopifyの「Shop Pay」を通じて、ユーザー承認後に購入を実行する機能も備える。

Anthropicによると、研究プレビュー段階のClaude Duetは、月額20ドルのProプランとMaxプランで追加料金なしで利用できる。月額100ドルからのOpenAIのProプラン向け「Dots」と比べ、価格面の差別化を打ち出した格好だ。

一方で、Duetはコード関連機能を含む他のClaudeツールと利用枠を共有する。バックグラウンドでの処理も利用枠に含まれるため、対話機能だけを使う場合に比べて消費が早まる可能性がある。

このため、Duetは連携アカウントを数時間ごとに確認する設計とし、ユーザー側で通知の頻度やトピックを設定できるようにした。

セキュリティ面では、機密情報の流出を防ぐ専用分類器とシステムプロンプトを導入した。Anthropicは、Duetがパスワードやログイントークンを直接参照せず、健康情報や個人の金融情報はユーザーが明示的に共有を許可した場合にのみ扱われると説明している。

ただし、会話内容の誤解釈や緊急度判断のミスが起きる可能性はあるという。チケット予約など私的な用途の処理にはなお制約があり、現時点ではチーム向け・企業向けプランには提供していない。今後は提供範囲を広げる方針だ。

Anthropicは、Metaの決算発表日に合わせてDuetを公開し、AI秘書分野での競争を一段と強めた。MetaのSuperintelligence Labsでプロダクトマネジメントを担当していたカラン・アフジャ氏は、7月までMetaに在籍した後、8月にAnthropicへ移り、Duet開発を主導した。

同氏は、Duetについて、仕事と家庭の両方で多くの作業を並行してこなす専門職や小規模事業者を想定して設計したと説明した。一方、MetaのSuperintelligence Labsを率いるアレクサンドル・ワン氏は、DuetがMetaのAIエージェント「Muse」に似ているとの趣旨のミームを投稿したという。

データ分析会社Apptopiaは、21日時点でMuseのインストール数が1400万件を超えたと推計した。Museアプリを導入したClaudeユーザーは、以前よりClaudeの利用が増えた一方、Meta製品に費やす時間を上回るほどではないとの分析も示した。

AIエージェントの性能は、文脈理解と連携データの質に大きく左右される。Claude Duetの普及は、機能の完成度に加え、ユーザーが個人情報や業務データをどこまで安心して預けられるかが鍵を握りそうだ。

キーワード

#Anthropic #Claude Duet #AIエージェント #自律型AI #Proプラン #セキュリティ
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.