個人情報保護委員会は21日、個人情報流出事故を巡り、企業が当局の調査着手前に証拠を隠匿・廃棄した疑いのある事案が、KTやLGU+以外にも存在するとの認識を示した。あわせて、現行の個人情報保護法では、当局の調査開始前の証拠隠匿・廃棄行為を直接制裁するのは難しいと説明した。
ソン・ギョンヒ委員長は同日、国会政務委員会の非金融分野に関する総合国政監査で、カン・ジュンヒョン議員(共に民主党)から、通信事業者以外にも証拠隠匿・廃棄の事例があるか問われ、「捜査機関への依頼に足るだけの明確な証拠が確認されたケースは多くないが、そのように推定される事案はさらにあるとみている」と述べた。
カン議員は、同委の調査着手前に企業が関連資料を隠したり廃棄したりした場合、これを制裁する手段が乏しいと指摘した。個人情報流出を適切に申告した企業だけが不利になりかねない、という問題意識を示した形だ。
これに対しソン委員長は、調査への迅速な協力の有無や調査妨害行為は課徴金の算定で考慮されると説明した。そのうえで、「隠匿・廃棄行為そのものを直接制裁する仕組みとしては不十分で、こうした制度は必ず必要だ」と述べた。
同委は7月、KTが2024年のマルウェア感染の事実を申告せず、一部サーバーのログを削除したほか、虚偽資料を提出していたとして、告発を決めた。
LGU+についても、同委の調査着手前に、関連サーバーのオペレーティングシステム(OS)を再インストールしたり、サーバーを廃棄したりするなど、証拠を隠匿・廃棄した疑いがあるとして、捜査機関に捜査を依頼した。
現行の個人情報保護法には、同委の調査着手後に資料提出を拒否したり、調査を妨害したりする行為に対する制裁規定がある。一方で、調査開始前に行われた証拠の隠匿・廃棄を直接罰するには制度上の限界がある。
同委はKTとLGU+に対する措置を公表した際、こうした制度上の空白を埋めるため、年内に制度改善を進める方針を示している。