SpaceXのFalcon 9ロケット(写真=SpaceX)

米国の宇宙打ち上げ市場で、中型ロケットの供給逼迫への警戒感が強まっている。SpaceXが主力機「Falcon 9」の商業打ち上げを将来的に絞り込むとの見方が浮上する中、その需要を取り込もうとする宇宙企業の開発競争が激しさを増している。

Ars Technicaが20日(現地時間)に報じたところによると、SpaceXは早ければ2028年にも、Falcon 9による商業打ち上げサービスを段階的に縮小する見通しだ。

背景にあるのは、代替ロケットがなお出そろっていないことだ。VulcanとNew Glennはすでに受注が積み上がっており、小型・中型衛星の打ち上げ用途ではコスト面でも不利になりやすい。

加えて、新型ロケットの多くはなお初飛行前にあり、衛星事業者にとっては打ち上げ枠の確保を巡る不確実性が高まっている。

現在、米国ではStoke Space、Relativity Space、Rocket Lab、Firefly Aerospaceなどが次世代打ち上げ機の開発を進めている。

このうち最も早い候補とみられているのが、Stoke Spaceの「Nova」だ。完全再使用型で、低軌道への打ち上げ能力は3トン、使い捨て運用では7トンを想定する。第1段の製造は最終段階に入っており、同社は2027年初めの初打ち上げを目標に掲げている。

Relativity Spaceの「Terran R」は、使い捨て運用で最大33.5トンを打ち上げ可能な大型ロケットだ。直近では、第1段用13基のエンジン試験と第2段の統合燃焼試験を実施した。

Rocket Labの「Neutron」は、回収・再使用の条件に応じて8.5〜15トンの打ち上げ能力を持つ機体として開発が進む。一方で、エンジンと炭素複合材製燃料タンクの製造上の問題から、初打ち上げは2027年に延期された。

Northrop GrummanとFirefly Aerospaceが共同開発する「Eclipse」は、Mirandaエンジンの開発を進めているものの、ロケット全体の開発進捗はなお見通しにくい。

Ars Technicaは各機の初打ち上げ時期について、Novaが2027年7月、Terran Rが同9月、Neutronが2028年1月、Eclipseは2029年以降になると見込んでいる。

もっとも、新型ロケットが計画通り初打ち上げに成功したとしても、その後どこまで早期に打ち上げ回数を積み増せるかが、米国宇宙産業にとって大きな課題になりそうだ。

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