OpenAIの最高経営責任者(CEO)、Sam Altman氏は、先端AIの開発競争が最終的に「国際機関による監督」「先頭企業同士の統合」「特定企業による独走」の3つのいずれかに向かう可能性が高いとの見方を示した。
ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが20日(現地時間)に報じた。Altman氏は、AI競争の行方はこの3つの構図に収れんする公算が大きいとみているという。
The Informationによると、同氏は、ある企業が競合のハードウェアを事実上使えなくして市場から他社を締め出すケースや、先頭集団にいる企業同士が統合して単一組織に再編されるケースに言及した。これとは別に、国際的な監視機関の監督の下で複数の事業者が併存するシナリオも挙げた。
Altman氏は、複数企業が競争を続けるための枠組みとして、外部機関による業界監督を位置付ける。OpenAIが2023年に示した「超知能ガバナンス」の構想でも、同様の考え方を打ち出していた。当時は、最も強力なAIシステムを点検・監査し、安全要件の順守を確認する、国際原子力機関(IAEA)に類似した国際組織が必要だと主張していた。
一方、OpenAIは現在、Google、Anthropicとともに「フロンティアAI標準機関」の設立を進めている。ただ、この組織は政府の直接監督を受ける形ではなく、米証券業界の自主規制機関であるFINRAに近い仕組みとされる。Altman氏が以前示したIAEA型のモデルとは性格が異なる。
Altman氏は9月、国連安全保障理事会で、OpenAIが開発速度を落とす可能性があることを明らかにするとともに、各国レベルおよび国際レベルでの基準整備を訴えた。ドナルド・トランプ米大統領も9月末、主要AI研究機関による自主的な規律づくりに向けた任意協約を公表した。
その一方で、業界全体の開発ペースの調整を巡る議論は、反トラスト訴訟にも発展している。AIサービスの有料購読者4人は9月、米連邦裁判所に提訴し、OpenAI、Anthropic、SpaceXAI、GoogleがAI開発の速度を落とすことで違法に合意したと主張した。
こうしたなか、OpenAIは事業拡大に向けた大型の資金調達を進めている。ロイター通信によると、同社は約300億ドル(約4兆5000億円)規模の投資ラウンドの最終段階にあり、企業価値は1兆4000億ドル(約210兆円)を超える可能性がある。狙いの一つは、Anthropicの11月中旬の新規株式公開(IPO)に先立って企業価値を固めることにあるという。
資金獲得競争も激しさを増している。OpenAIとAnthropicは、同じ政府系ファンドや機関投資家からの出資を競っている。OpenAIは投資家に対し、GPT-6 Astraの投入後には年換算売上高が500億ドル(約7兆5000億円)に達し、年末までに700億ドル(約10兆5000億円)へ拡大する可能性があると説明した。
OpenAIは、統一的な安全要件を整える連邦レベルの規制枠組みを支持する一方で、業界が行動を起こすのに反トラスト適用除外や新たな立法を待つ必要はないとの立場も示している。外部監督と業界の自主規制を巡る議論が続くなか、巨額の資金調達競争も加速しており、Altman氏が示した3つのシナリオのどれに現実が近づくのかが焦点となりそうだ。