米証券取引委員会(SEC)が提案した新たな暗号資産規則案に対し、100件を超える意見書が寄せられている。主な論点は、暗号資産による資金調達で認める登録免除の範囲や、トークンがいつ証券性を問われなくなるかといった点だ。SECは20日(現地時間)、意見提出期限後もコメントの受け付けを続ける方針を示した。
ブロックチェーンメディアのCoinpostによると、議論の中心は、暗号資産を使った資金調達にどの登録免除を適用するか、またトークンがいつ証券性の判断対象から外れるかに集まっている。
SECが8月に提案した「Regulation Crypto Assets」は、ICOなど暗号資産を用いた資金調達について、一定範囲の募集を証券法上の登録義務から免除する枠組みを盛り込んだ。規則案には、4年間で500万ドル(約7億5000万円)までを対象とする「スタートアップ免除」と、12カ月で7500万ドル(約112億5000万円)までを対象とする「資金調達免除」が含まれる。あわせて、トークンが投資契約と結び付かなくなる時点を確認するセーフハーバーも設けた。
Hyperliquid Policy Centerは19日、規則案の方向性を支持しつつ、5項目の修正を求めた。同団体は、これまでプロジェクト側がトークンへの証券法の適用可否を明確に判断しにくく、その結果、米国外での発行を選んだり、米国居住者を配布対象から除外したりする例が多かったと指摘した。
なかでも、エアドロップに関する条項が大きな争点として浮上している。Hyperliquid Policy Centerは、3月のSEC解釈と同様に、対価を支払っていない受領者へのトークン配布は「金銭の投資」に当たらないことを、規則文言に明記するよう求めた。あわせて、ウォレット接続や制裁審査といった受領手続きも対価とみなさないことの明確化を要請した。
セーフハーバーの設計を巡っても見直し要求が出ている。Hyperliquid Policy Centerは、多くのプロジェクトにとって、利用に必要な立証資料の提出は容易ではないと主張した。規則案では、トークン保有者が利益を期待して依拠する事業者側の主要な取り組みが完了したことの立証を求めているが、同団体は、この仕組みではプロジェクト自身が、トークンが一時的に投資契約の対象だったと認めたと受け取られかねないとの見方を示した。
開示基準を巡っても意見が相次いだ。Blockworksは、2025年6月から運用してきた「トークン透明性フレームワーク」の項目を規則に反映するよう提案した。取引所などの第三者が、基準を満たす独立した開示事業者に開示資料の作成を委ねられるようにすることや、プロジェクトが報告を打ち切った後も第三者が情報を更新できる仕組みの導入を求めた。
Alternative Investment Management Associationは、投資家の法的権利とリスクに関する説明を、より明確に盛り込むべきだとの立場を示した。発行体は、トークンの利用面と経済的エクスポージャーを、所有権、償還、キャッシュフロー、契約上の権利と区別して提示すべきだとした。あわせて、個別事案に応じたイベント報告や、入手できない情報の扱いに関する基準も明確にすべきだと述べた。
このほか、トークン化株式のオンチェーン取引に関する「Innovation Exemption」を巡っても懸念が出ている。Securities Industry and Financial Markets Associationは19日、9月に発効した5年間の時限免除について、市場慣行が先行して固定化しかねないと指摘し、投資家保護に向けた即時対応と参加方式の見直しを求めた。恒久制度が整う前に、初期設計が事実上の基準になり得るとの問題提起だ。
SECは締め切り後も意見書の受け付けを続ける。エリノア・テレットによると、SECの報道官は、規則案に対するコメントを期限後も受領し続けると明らかにした。エアドロップの無償配布の扱い、セーフハーバーにおける立証責任、第三者による開示体制などの論点が、最終規則にどこまで反映されるかが焦点となる。