General Motors(GM)とLG Energy Solutionは、米国で次世代のリチウムマンガンリッチ(LMR)角形電池セルの量産体制構築を進める。低コストと航続距離の両立を狙う取り組みで、実現すればLMR角形電池の商業生産としては世界初となる可能性がある。
CleanTechnicaが19日(現地時間)に報じた。両社の合弁会社Ultium Cellsは、米テネシー州スプリングヒル工場を改修し、次世代LMR角形電池セルを生産する計画だ。
LMR電池は、正極材に占める比較的安価なマンガンの比率を高めることで、低コストと高エネルギー密度の両立を目指す電池技術。GMは、リン酸鉄リチウム(LFP)電池と同程度のコスト水準を維持しながら、エネルギー密度を33%高める目標を掲げている。
エネルギー密度が高まれば、同じ重量や搭載スペースでより多くの電力を蓄えられるため、EVの航続距離の伸長につながる。
GMは、長距離走行を重視する車種では高ニッケル電池を引き続き採用する一方、LMR電池を価格と性能のバランスを取る新たな選択肢として位置付ける方針だ。今後投入する電動ピックアップや大型SUVへの採用を計画している。
スプリングヒル工場ではすでにパウチ型電池セルを生産しており、6月にはエネルギー貯蔵システム(ESS)向けLFP電池セルの生産も始めた。今後はLMR角形電池セルを加え、電池の化学系とセル形状の製品構成を広げる。
設備改修は年内に着手し、2028年の完了を予定する。今回の拡張に伴い、約500人を新規採用する見込みで、現在の工場従業員数は約1200人という。
Ultium Cellsは、LFP生産への転換やLMR向け設備の構築を含めた投資額が、2030年までに総額10億ドルに達するとの見通しも示した。
一方、LMR電池の具体的な量産開始時期や車両搭載の時期はまだ固まっていない。GMとLG Energy Solutionが掲げる性能目標とコスト水準を、商業生産段階でも実現できるかが今後の焦点となる。