ビットコイン市場で、買い需要の主役がStrategyからクジラへ移りつつある。Strategyが直近5週間、大規模な買いを見送る一方で、大口ウォレットの積み増しは続いており、需給構造の変化を示す動きとして注目を集めている。
Cryptopolitanが20日付で伝えたところによると、Strategyの買いが鈍るなかでも、クジラウォレットや主要保有者による蓄積は続いた。
焦点となっているのは、需要の担い手の変化だ。直近1カ月で10~1万BTCを保有するウォレットは、合計8万8987BTCを買い増した。同じ期間にStrategyが購入したビットコインは、その約3%にとどまった。これまで価格動向への影響が大きかった主体が、企業から大口保有者へと移りつつある構図が浮かぶ。
Strategyは足元で、ビットコインの買い付けと流動性の確保を並行して進めている。最新の8-K報告書には、普通株2200万ドル相当の売却、267BTCの購入、STRC優先株の買い戻しに向けた1億9300万ドルの実施が盛り込まれた。
9月14日から10月18日までの間に、同社は3466BTCを2億9000万ドルで購入した。一方で、同じ期間にSTRC優先株の買い戻しプログラムには、8億9000万ドルの現金性資産を投じた。
同社は、STRC優先株を目標価格レンジで取引させるため、買い戻しプログラムの上限を20億ドルから30億ドルへ引き上げた。10月18日時点の現金保有額は4億4730万ドルだった。市場では、プログラムを継続するには追加の資金調達が必要になる可能性があるとの見方も出ている。
もっとも、Strategyはなお84万8517BTCを保有している。足元のビットコイン相場は、企業財務に基づく買い需要が薄れても反発し得ることを示した格好だ。
市場の関心は、現物需要が回復するかどうかに移っている。直近のオンチェーンデータでは、少額保有のウォレット数が増えたほか、大口保有者の残高も拡大した。過去30日では、1000〜1万BTCを保有する新規クジラウォレットも45件増えた。
保有構成の変化も進んでいる。新規クジラが占める比率は、年初の18%から10月には約33%へ上昇した。長期保有の規模では既存クジラに及ばないものの、短期的な値動きへの影響は大きくなり得ることを示している。
新規クジラの平均取得単価も重要なポイントだ。これらの主体は、ビットコインが5万9000〜11万ドルで推移していた局面で参入し、下落局面でも買い集めを続けてきた。直近では、ビットコインが一時8万1000ドルまで下落したことで、平均取得単価に対する含み益は縮小したとみられる。
今後の焦点は、評価損の局面でも保有を続けるかどうかだ。買い集めのペースは加速しているものの、それだけで新規クジラの長期保有姿勢を判断するのは難しい。オンチェーン上で新たに確認されたクジラが、必ずしも新規資金の流入を意味するわけではなく、既存の大口投資家がウォレットを再編した可能性もあるためだ。
ビットコイン市場は、Strategy単独の買い動向よりも、より広範な大口保有者の動きに反応しやすい局面に入りつつある。今後は現物需要の回復に加え、新規クジラが現在の価格帯でも買い増しを続けるかが次の焦点となりそうだ。