Cadillac Escalade IQ(写真=Cadillac)

General Motors(GM)は20日、使用済みの電気自動車(EV)向け電池から回収した主要鉱物を新たな電池セルに再投入するクローズドループリサイクルの実証を完了したと発表した。再生材を使った電池は、実際に販売される量産EV 7車種に搭載された。

Cleantechnicaによると、GMは廃電池から回収したニッケル、コバルト、マンガンを新しい電池セルに再利用する実証事業を終えた。

実証は、電池リサイクルを手がけるCirba Solutionsと共同で実施した。GMは使用済みEV電池80個を回収して分解・処理し、主要鉱物を含む中間原料のブラックマスとして回収した。

その後、精製工程を経て12トン超の正極活物質を生産した。この正極材に用いたニッケル、コバルト、マンガンは、全量を再生原料で賄ったという。

再生した正極材は、新規原料と同等の品質・安全基準を満たした。これを用いた電池セルも既存製品と同等の性能を確認したとしている。

GMとLG Energy Solutionの合弁会社であるUltium Cellsは、こうした再生材を使って新たな電池セルを生産した。完成したセルは、GMのFactory ZeroとSpring Hill工場でバッテリーパックに組み立てられた。

再生材を用いた電池を搭載したのは、Cadillac Lyriq、Vistiq、Escalade IQ、Chevrolet Silverado EV、GMC Sierra EVなど6車種。これらの車両は9月に生産ラインを離れ、顧客への引き渡し段階に入った。

GMは、廃電池から原料を回収することで、新規鉱物の採掘への依存を抑え、中長期的には電池生産コストやサプライチェーンリスクの低減につながると説明している。

同社は電池寿命の延伸に向けた再製造事業も並行して進めている。既存のバッテリーパック部品の70%超を再使用するほか、Redwood Materialsと協力し、約1万個の再使用電池をエネルギー貯蔵インフラに活用する事業も推進している。

もっとも、今回のリサイクル事業はまだ初期の実証段階にある。GMは今後、廃電池の発生増に備え、回収、精製、再生産の体制を拡充する方針だ。

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