Netflixが、視聴時間の減少傾向が続く中でも、収益化の強化を最優先課題に据えた。必要に応じた値上げや広告事業の拡大を視野に入れる一方、オリジナル作品やライブイベント、外部コンテンツの拡充も進める方針だ。
米ITメディアのThe Vergeによると、Netflixは20日、第3四半期の決算報告書で今後の重点項目として、収益化の改善、エンターテインメント価値の強化、新技術の活用を挙げた。
具体的な施策の詳細は示していないが、同社は会員価値の向上を通じて、必要に応じた価格改定や広告需要の取り込みにつなげる考えを示した。あわせて、オリジナル作品やライブイベント、外部コンテンツの拡充も進める。視聴者の関心を争うコンテンツが急増し、市場競争が一段と激しくなっているとの認識も示した。
背景には視聴指標の低下がある。金融会社Jefferiesの分析によると、会員1人当たりの月間視聴時間は2026年上半期に49時間となり、2023年上半期の66時間から減少した。米国の総視聴時間に占めるNetflixのシェアも、2026年7月は7.8%と前年同月から1ポイント低下した。
組織再編も続いている。Netflixは最近、約1000人規模の人員削減を実施し、主要幹部の入れ替えにも踏み切った。ベラ・バジャリア最高コンテンツ責任者(CCO)とダン・リン映画部門責任者が人事見直しの対象となり、元Disney幹部のピーター・ライスが10月26日付でCCOに就く。テッド・サランドス共同最高経営責任者(CEO)が社内で、米国会員の利用時間が減少し、新たなヒット作も不足していると発言したとも報じられている。
投資家向け書簡では、米プロフットボール(NFL)の試合中継、ゲーム「Grand Theft Auto VI」のプレビュー、フランス放送局TF1との提携を、コンテンツ拡大の具体例として挙げた。直近四半期の売上高は129億ドルで、前年同期比12%増だった。広告付きプランは2025年に15億ドルの売上を計上しており、2027年には対象国を15カ国追加する計画という。
競争環境も厳しさを増している。Skydanceによる大型M&A後には、HBO MaxとParamount+が単一サービスに統合される可能性が取り沙汰されている。NetflixはYouTubeとの競争をにらみ、複数のクリエイターと契約を締結したほか、一部チャンネルに対しては、Netflixに動画を投稿しない見返りとして数百万ドルを提示したとの報道も出ている。
アプリ戦略の見直しも進めてきた。外部ストリーミングサービスのPeacockやFox Oneをアプリ内に統合する案に加え、常時編成型チャンネルの追加案も浮上している。視聴時間の鈍化を受け、価格政策、広告事業、コンテンツ構成、プラットフォーム運営を一体で見直す構えだ。