SpaceXは20日公表の2026年第3四半期決算で、AIインフラ投資を大幅に積み増していることを明らかにした。7〜9月期のAI関連の資本支出は164億ドルに達し、新たな計算設備の稼働に伴って今四半期の総資本支出は350億〜400億ドルに膨らむ見通しだ。
第3四半期の総資本支出は196億ドルで、市場予想と一致した。このうちAI関連支出は164億ドルで、市場予想の169億ドルをやや下回った。
ブレット・ジョンセン最高財務責任者(CFO)は、新たな計算設備の投入によって今四半期の資本支出が急増するとの見方を示した。そのうえで「現在の価格水準であれば、新規の計算設備は1年未満で投資回収できる」と述べた。
AI事業の売上高は市場予想を上回った。第3四半期のAI売上高は76億ドルで、市場予想の63億ドルを超えた。一方、同期間のStarlink売上高は52億ドルだった。これにより、AI部門の売上高は四半期ベースで初めてStarlinkを上回った。
決算発表後、SpaceX関連銘柄は時間外取引で4%上昇した。SpaceXはX(旧Twitter)を通じ、決算説明会のカンファレンスコール映像もライブ配信した。
イーロン・マスクは、AIインフラ拡張を巡る主な制約がチップから電力、冷却、関連インフラへ移りつつあるとの認識を示した。超知能システムの構築を制約する要因は、半導体そのものよりも電力供給や冷却設備、周辺インフラにあると説明した。
SpaceXは2月にxAIを買収し、その後「SpaceXAI」の名称を「SpaceXSI」に変更した。マスクは先月、AnthropicとOpenAIのモデルが自社の最先端モデルを上回っているとの評価について、「現時点では正しい」と認めている。
SpaceXSIは自社AIモデルの開発に加え、計算資源の提供事業も拡大している。Anthropic、Google、Reflection AIなどに計算資源を提供しており、ジョンセンCFOは前回の決算発表で、関連契約によって16億ドルの追加売上を計上したと明らかにした。
グウィン・ショットウェル社長は今月初め、AIエージェント型秘書「Grok Bot」の有料週間ユーザー数が80万人に達したと発表した。大規模なAIインフラ投資に加え、計算資源の提供と自社サービス拡大を並行して進めることで、SpaceXのAI事業の比重は一段と高まっている。
2026年第3四半期の売上高は146億ドルで、前年同期比161%増だった。事業面では、収益を生む初のStarshipミッションを打ち上げたほか、26機のStarlink V3衛星をブロードバンド衛星網に投入した。これにより、Falcon 9によるStarlink打ち上げと比べ、追加される下り回線容量は約10倍に相当するとした。
また、クラウドサービス契約やCursorの買収、@Grok @Botを含むSIモデルおよびソフトウェアアプリケーションの拡大を背景に、超知能ソリューションとインフラの売上高は前年から67億ドル増加した。コネクティビティ部門は、企業・政府分野での採用拡大と@Starlinkの消費者契約者数の増加を追い風に、売上高が前年同期比69%増、営業利益が同99%増となった。名目計算能力も拡大を続け、2026年9月30日時点で1.7GWに達した。