SpaceXの衛星インターネットサービス「Starlink」で、個人向け契約者数の伸びが市場予想に届かなかった。一方で、法人・政府向け売上は大きく伸び、航空向け事業やモバイル通信分野への展開も進んでいる。
SpaceXの開示や海外メディアの報道によると、9月末時点の個人向け契約者数は1360万人だった。3カ月前から160万人増えたものの、Bloomberg集計のアナリスト予想である1420万人には届かなかった。SpaceXは、この数値には数十万人規模の法人契約者や航空向け顧客は含まれていないと説明している。
収益面では改善がみられた。個人向けの契約者当たり月間売上は前四半期比で5%増加した。法人・政府向け売上は前年同期比91%増の21億ドル(約3150億円)だった。
航空向け事業も成長分野になっている。SpaceXは、9月末時点で計3800機の航空機にStarlink機器を搭載したと明らかにした。最高財務責任者(CFO)のブレット・ジョンセン氏は決算発表で、「航空分野は引き続き重要な成長機会だ」と述べたうえで、「世界の主要航空会社の多くでは、機器搭載がまだ初期段階にある」と説明した。
同社はモバイル通信市場への参入も急いでいる。10月8日には、資産運用会社Grain Managementが保有する低帯域の周波数資産を取得することで合意した。Verizon、AT&T、T-Mobileなど既存の通信事業者に対抗できるサービス展開の基盤を整える狙いだ。
取得する周波数は「Starlink Mobile」に活用する計画という。Starlink Mobileは、屋内外に加え携帯圏外でも利用できるよう設計した、衛星と地上網を組み合わせたハイブリッドネットワークと位置付けている。
モバイル通信参入の構想は、8月の初回決算発表でも示していた。当時、社長のグウィン・ショットウェル氏は、Starlinkのブロードバンドアンテナを支える装置にセルラー基地局機能を実装する案を検討していると明らかにした。
SpaceX経営陣は、モバイル通信市場の年間規模を6000億ドル(約90兆円)と試算している。ショットウェル氏は、既存事業者から相当数の顧客を獲得できるとの見通しを示した。