電力確保が遅れるデータセンターを抱えるなか、AWSはNVIDIAのAIサーバーを先行確保していることが分かった。写真=Shutterstock

Amazon Web Services(AWS)が、NVIDIAのAIサーバーラックを大規模に先行確保していることが分かった。一方で、一部のデータセンターでは電力確保が追いつかず、受け入れた装置を稼働できない状態にある。AIインフラ投資が加速するなか、電力供給がデータセンター拡張の大きな制約として浮上している。

Business Insiderが20日(現地時間)に報じたところによると、AWSは「Early Rack Receipt」と呼ぶ新たな手続きを通じ、NVIDIAのGB300サーバーラックを米国内施設への最終配備前に受け取る計画だ。規模は約50億ドル(約7500億円)に上る。さらに、同メディアが入手した8月の社内メールには、今後しばらく毎月約30億ドル(約4500億円)分のGB300ラックを追加で受領する見通しも記されていた。

課題となっているのは電力だ。AWSの一部データセンターでは、サーバーラックの設置スペースは確保しているものの、装置を稼働させるための十分な電力を供給できていないという。このため、完成したサーバーラックは、データセンター側の受け入れ準備が整うまで一時的に倉庫で保管されている。

社内メールでは、一部組織で、確保した装置をいつデータセンターに配備するかの明確な日程を示せていないとの指摘もあった。購入済みのAI半導体が、電力不足などで稼働できない状態は「Dark GPU」と呼ばれる。

AWSはこれまで、完成したサーバーラックがデータセンターに到着した時点で所有権を引き継いでいた。今回の新手続きでは、サプライチェーンのより上流段階で装置を受け取り、資産計上できるようになる。

競合他社に先んじて高性能AI半導体を押さえられる半面、クラウドサービスとして収益化する前の段階で、巨額の投資資金が固定化する可能性もある。

Amazonは、2026年の設備投資が約2200億ドル(約33兆円)に達するとの見通しを示している。前四半期には、フリーキャッシュフローが2023年以降で初めてマイナスとなった。

これに対しAmazonは、完成した装置を配備先近隣で事前保管するのは一般的な運用だと説明した。装置の所在と配備計画を追跡する仕組みを整えているとして、全社的に配備計画が存在しないとの見方を否定した。

Amazonのアンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)はこれに先立ち、AI投資から高いリターンを得られるとの自信を示していた。

もっとも、大規模なAI投資を実際の収益につなげるには、半導体の確保だけでなく、データセンターの電力供給と稼働時期をいかに合わせ込むかが重要だとの見方が出ている。

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