スイスで個人投資家向けビットコイン現物ETFが初めて承認された。写真=Shutterstock

スイス金融市場監督庁(FINMA)は20日、個人投資家向けのビットコイン現物ETFを初めて承認したと発表した。ビットコインへの投資需要の高まりを踏まえ、分散投資規制の例外を認める一方、販売時の説明義務や適合性審査、資産保管管理については規制を厳格化する。

21日付のCoinPostによると、FINMAは公式声明で、ビットコインに直接投資する現物ETFの上場を認めた。承認したファンド名や運用会社名は明らかにしていない。

FINMAは、暗号資産投資への関心が高まっているとしつつも、今回承認した商品は引き続き高リスクの投資商品だと強調した。

今回の承認では、ビットコインが他の暗号資産に比べて取引量が多く、比較的長い取引実績を持つ点を踏まえ、分散投資規制の例外を認めた。既存の規制枠組みの中で、ビットコインを一律に他のデジタル資産と同じ扱いにはしなかった格好だ。

一方、販売面では投資家保護策を強化する。FINMAはスイス金融サービス法(FIDLEG)を適用し、暗号資産への直接投資よりも高い水準の投資家保護を確保すると説明した。ファンド関連文書にはリスク要因を明記し、投資家への説明を徹底する方針だ。

また、FINMAは今年1月に公表した監督通知に沿って、取扱金融機関に対し、業務運営や資産保管に伴うリスクを抑える体制整備を求めた。暗号資産を裏付け資産とする金融商品を提供する場合には、FIDLEG上の行為規範を厳格に順守し、価格変動リスクや損失の可能性を明確に示す必要があるとした。

適合性審査も、今回の承認条件の中核に位置付けた。FINMAは、金融機関が商品を販売する際、適切性・適合性の確認に特に注意を払うよう明記した。ビットコイン現物ETFが規制下の金融商品として組成されても、商品自体のリスクが低下するわけではないとの認識を示した形だ。

FINMAはあわせて、承認されたビットコイン現物ETFについても高リスク商品であるとの見方を重ねて示した。価格変動が大きく、多額の損失が生じる可能性があるとして、投資額を判断する際にはリスクを十分に考慮するよう促している。

今回の承認は、スイスがビットコイン現物ETFを規制された金融商品として受け入れる一方、販売や保管、情報提供の規律も同時に強める姿勢を示したものといえる。今後の焦点は、承認を受けた商品の具体的な設計や運用主体、個人投資家向け販売に適用される実務基準に移る見通しだ。

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