JPMorganは20日、今後10〜15年の主要資産クラスの見通しを示した「2027長期資本市場見通し(Long-Term Capital Markets Assumptions)」で、ビットコインの期待リターンを年率10%と予想した。公表された見通しの中では最も高い水準となる。
ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、JPMorganが同レポートでビットコインのリターンレンジを明示したのは今回が初めて。米国REITは8.2%、小型株は7.7%、大型株は7.5%、新興国株は7.1%、金は5.5%と見積もった。
今回の見通しは、ビットコインに対するJPMorganのスタンス変化を映す内容とも受け止められている。Bitwiseの最高投資責任者(CIO)、マット・ホーガン氏は、従来は懐疑的だった同社が、長期のパフォーマンス見通しを示す段階まで踏み込んだと指摘した。
JPMorganは背景として、世界的な設備投資拡大を挙げた。人工知能(AI)などへの技術投資を軸に、15兆ドル規模のグローバルな設備投資が今後10年の成長と生産性向上を支え、資産リターンを下支えする可能性があるとみている。先進国の成長加速に加え、債券リターンや分散投資の機会改善にもつながるとした。
レポートでは、ビットコインと金の比較にも言及した。投資家心理はなお金に傾いていると分析しており、2026年初以降、金の現物ETFには過去の流出分に相当する資金がすべて戻った一方、ビットコインの現物ETFでは回復がその半分程度にとどまっているという。
もっともJPMorganは、この点がビットコインの上値余地につながる可能性もあるとみる。金に比べて投資家の保有がなお十分ではなく、ポジショニングの面では追加的な資金流入余地が残るためだ。資金回復の局面では金が先行しているものの、相対的にはビットコインのほうが上昇余地を残しているとの見方を示した。
JPMorganは2月にも、ビットコインの理論上の長期価値として26万6000ドルを提示している。これは金との比較をベースに、ビットコインのボラティリティを織り込んで算出した水準だ。今回、新たに長期期待リターンの見通しを示したことで、同社がビットコインを単なる短期変動資産ではなく、長期の資産配分対象としても意識し始めたことをうかがわせる。
今後の焦点は、実際の資金フローがこうした見通しに追随するかどうかだ。ビットコイン現物ETFへの資金回復ペース、金ETFとの相対的な動きに加え、技術投資の拡大が長期の資産市場全体に与える影響が注目される。
マット・ホーガン氏は、こうした変化を次のように表現した。
「まず無視され、次に笑われ、次に争われ、最後には長期資本市場見通しのレポートに組み込まれ、次の10年で最も高いパフォーマンスを上げる資産と予測される」