ドイツの電動二輪スタートアップNovusは、数千万ドル規模の新規資金を調達し、2027年の米国市場参入に向けた準備を進める。主力モデル「Novus One」はすでに量産段階に入り、欧州では納車も始まっている。
米EVメディアのElectrekが19日(現地時間)に報じたところによると、Novusは調達した資金を欧州事業の拡大と米国展開に充てる計画だ。
Novusは「Novus One」を、スクーターとオートバイの中間に位置する「ライトバイク」として展開する。既存の二輪ユーザーに限らず、幅広い層が扱いやすいモビリティを目指しており、軽量な車体に加え、クラッチや変速機を必要としない電動駆動システムを採用した。
最大の特徴は、中央部を大胆にくり抜いたような独特の車体デザインにある。車体にはカーボンファイバー製のモノコックフレームを採用し、一般的なオートバイとは異なる外観に仕上げた。デザインは、VolkswagenでGolfやID. Buzzなどを手掛けた元チーフデザイナーのルネ・レンガー氏が主導した。
Novusによると、デザインやエンジニアリング、最終組み立てはドイツで行い、主要部品も大半を欧州域内で調達する。
性能面では、都市向け電動二輪として高い水準を打ち出す。車体重量は121kg。ハブモーターを採用した駆動系は最高出力25kW、最大トルク430Nmを発揮する。停止状態から時速50kmまでは2秒以内で加速し、最高速度は時速130kmとしている。
バッテリー容量は6.2kWh。航続距離は低速の市街地走行を前提に最大150kmとし、充電時間は0%から80%まで90分としている。走行モードは3種類を用意し、スマートフォン連携やキーレス操作、無線ソフトウェアアップデートにも対応する。
同社は、同一ハードウェアをベースにソフトウェアで仕様を分けられる点も特徴としている。フル出力のL3e仕様は最高速度が時速130km、L1e仕様は時速45kmに制限される。必要な免許区分や関連規制は、国や市場ごとに異なる。
一方で、価格の高さは普及に向けた課題となる。「Novus One」のFounders Editionは税別2万1300ユーロから。独自性の高いデザインと性能を備える一方、一般的な都市向け電動二輪と比べると導入のハードルは低くない。
Novusは、より手ごろな価格帯の後継モデル「Novus Two」の開発も進めている。2027年末の生産開始を目標に掲げ、価格は「Novus One」を大きく下回る水準に設定する計画だ。「Novus One」が技術力とブランドの個性を示すモデルだとすれば、「Novus Two」はより幅広い顧客層の取り込みを担う製品になりそうだ。
Novusにとって今後の焦点は、独特のデザインと性能を実際の販売拡大につなげられるかどうかだ。欧州で量産と納車を進める一方、米国展開の準備も本格化しており、次期モデルの価格競争力と生産拡大が成長の鍵を握る。