20日に開かれた第2回「人的分割 個人株主懇談会」。左からシン・ジョンファンCFO、キム・ドヨンKakaoX代表内定者、チョン・ヒョンスKakaoビジネス成果リーダー。写真=Kakao提供

Kakaoは20日、人的分割を巡って市場で広がっているブロックディール観測や主要子会社の売却説を否定した。個人株主の間で分割後の株価下落や企業価値の毀損への懸念が強まっていることを踏まえ、株価と株主価値を役員報酬に反映する制度の導入も検討する考えを示した。

同社は同日、ソウル・汝矣島のFKIタワーで個人株主向け懇談会を開催し、人的分割に関する株主からの質問に答えた。9月のオンライン懇談会に続く場で、説明資料の発表は行わず、会場とオンライン参加者との質疑応答を中心に進行した。

懇談会では、人的分割後の株価や企業価値に対する懸念が相次いだ。分割計画書に記載されたKakaoAIとKakaoXの株式配分比率がおよそ36%対64%となっている点について、株主からはKakaoAIの比率が低すぎるとして、分割後の企業価値が押し下げられる可能性を懸念する声が上がった。

これに対し、キム・ドヨンKakaoX代表内定者は、分割比率は純資産価値を基準に株式数を配分するためのものであり、両社の企業価値の比率を示すものではないと説明した。企業価値は分割後の上場後に市場で評価されるもので、分割比率についても今後一部調整される可能性があると述べた。

KakaoXの企業価値が適正に評価されるのかを問う声も出た。これに対し、Kakaoは、分割後は主要子会社の実績や成長計画をこれまで以上に詳しく開示し、投資成果に対する株主還元策も明確にすることで、企業価値の評価ディスカウントの縮小を目指す方針だとした。

◆ブロックディール観測と子会社売却説を否定

大株主によるブロックディールの可能性も主要な論点となった。株主の一人が、キム・ボムスKakao創業者によるブロックディールと、それに伴う株価下落の可能性をただしたのに対し、シン・ジョンファン最高財務責任者(CFO)は「ブロックディールはない」と述べ、観測を否定した。

シンCFOは、株価低迷を経営陣も重く受け止めているとした上で、今回の人的分割は事業構造の見直しに向けた決定だと説明した。すべての株主には分割比率に応じて2社の株式が配分される仕組みだと改めて強調した。

KakaoBankやKakaoPayなど主要子会社の売却可能性についても否定した。株主からは、分割後にKakaoXが保有子会社の売却を進めるのではないかとの見方について質問が出た。

これに対し、キム内定者は「今回の人的分割は子会社売却とは全く無関係だ」と述べた。そうした観測については社内で議論されたこともなく、検討や考慮を行った事実もないと説明した。

一方、Kakao MobilityとKakao Entertainmentの新規株式公開(IPO)を巡っては、既存の財務投資家が株主間契約に基づく権利を持っていると説明した。今後の意思決定に当たっては、契約上の権利と法的手続きを順守しつつ、既存のKakao株主の価値を守る方針だという。

◆株価を反映した報酬制度を検討 3000億ウォンの株主還元計画も再確認

株価回復に対する経営陣の責任も論点となった。株主の一人は、人的分割後も株主価値が回復しない場合、経営陣の賞与の削減や返上など、責任を問う仕組みがあるのかと質問した。

Kakaoはこれに対し、分割後は各社の事業特性に応じた主要業績評価指標(KPI)を設計し、経営陣の評価と報酬に連動させると回答した。KakaoAIは事業成果、KakaoXは投資成果や保有子会社価値の評価ディスカウント縮小などを重視した評価体系を準備しているという。

キム内定者は、株価と株主価値が経営陣の業績連動報酬やインセンティブに反映されるよう、新たに構成される取締役会と協議して報酬制度を設計すると述べた。ただ、株価下落時の報酬返上や削減については、具体的な確約は避けた。

株主還元策については、すでに公表済みの計画を改めて確認した。KakaoAIは、単独ベースの調整後フリーキャッシュフロー(FCF)が前年より50%以上増加した場合、株主還元率を最大40%まで引き上げる方針だ。KakaoXは、子会社から受け取る税引後配当の30%に加え、税金や資本コストなどを差し引いた投資利益の最大30%を株主還元に充てるとしている。

キム内定者はあわせて、Kakao InvestmentによるDunamu持ち分の売却益を活用し、分割後3年間で総額3000億ウォン規模の自社株を取得・消却する既存計画も強調した。

人的分割の手続きに関する質問も出た。Kakaoは、韓国取引所に提出した関連資料に基づき、審査過程で求められた事項への対応を進めており、KakaoAIの事業計画の具体性などについても説明を続けているとした。

12月17日の臨時株主総会で分割案が否決された場合に再度推進するかとの質問に対しては、明確な回答を避けた。シンCFOは、株主総会の結果や株主の意見を踏まえて改めて判断すべき問題であり、現時点で再推進の有無を決めるのは難しいと述べた。

Kakaoは人的分割により、KakaoAIにプラットフォーム・人工知能(AI)事業を、KakaoXに子会社への投資・管理機能をそれぞれ切り分け、事業ごとの成長に集中することで企業価値の向上を図る方針だ。個人株主の間では、分割後の実際の株価回復と、株主価値に連動した責任ある報酬制度を求める声が根強く、12月の臨時株主総会に向けて会社側が理解を求める局面が続きそうだ。

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