Teslaは新型「Roadster」に、自社最先端と位置付ける高電圧バッテリーパックを採用する。4680セルと高度な熱管理システムを組み合わせ、高出力性能と超急速充電の両立を狙う。バッテリー残量15%から85%までの充電時間は約10分を見込む。
電気自動車専門メディアのInsideEVsが19日(現地時間)に報じた。新型Roadsterを巡っては、発表当初にSpaceX技術を活用したコールドガススラスターや強力な吸気システムが注目を集めたが、実際の走行性能を支える中核技術はバッテリーにある。
Teslaのエンジニアリング担当副社長ラース・モラビ氏は、新型Roadsterについて「Teslaが20年以上にわたるEV開発で得た知見を1台に凝縮した」と説明した。
バッテリーパックの正確な容量は明らかにしていない。ただ、Teslaは300マイル(約483km)超の航続距離に加え、高い充放電性能を見込む。モラビ氏によると、Model YやModel 3など量販モデルのバッテリーが寿命を重視するのに対し、Roadsterでは出力密度と性能を優先する設計とする。
セルには自社開発の4680規格を採用し、高出力の充放電に対応する専用の化学設計を施す。材料は従来と同じリチウムイオン・ニッケル系だという。
熱管理も重要な技術要素の一つだ。上位トリムの後輪デュアルモーターは、最高出力1341馬力、最大トルク1032ポンドフィートを発揮する。こうした高出力環境でセル温度の急上昇を抑えるため、Teslaは各セルを両面から冷却するクーラントチューブを採用した。
バッテリーパックの素材構成も、軽量化と放熱性の両立を意識した。セル外装には、鋼鉄より軽く熱拡散性に優れるアルミニウム缶を使用する。パック上部には、鋼鉄より軽量で薄く、断熱性の高いチタンプレートを採用した。車両下部を保護するアンダープレートには、へこみや衝撃への耐性を考慮し、アルミニウムを引き続き用いる。
こうした設計は充電性能にも反映される。モラビ氏は、バッテリー残量15%から85%までの充電に約10分かかるとの見通しを示した。最大充電出力はまだ確定しておらず、500kW〜1MW級になる可能性があるという。電圧アーキテクチャについても800〜1000Vの範囲を示したが、正確な数値は公表していない。
新型Roadsterは、寿命やコスト効率を重視する量販モデルとは異なり、高出力性能と充電性能を前面に打ち出したモデルとなる。ただ、バッテリー容量や最大充電出力、電圧アーキテクチャなどの主要仕様はなお未公表だ。こうした技術が今後、Teslaの量販モデルにも展開されるかどうかが注目される。