MARA Digital Holdingsのイメージ写真。写真=Shutterstock

ビットコイン採掘大手のMARA Digital Holdingsが、暗号資産取引所のBinanceとGateのアドレスに計1000BTCを移動した。年初から保有ビットコインの売却を続けてきた経緯もあり、市場では同社の資金化姿勢に改めて関心が集まっている。

ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが19日に報じたところによると、今回の送金は100BTCと500BTC単位に分けて実行された。送金元はいずれもMARA Digital Holdingsのマイナーウォレットだったという。

同社は今回の移動について個別の説明をしていない。ただ、2026年に入って以降、採掘したビットコインの売却を継続してきた流れと重なる。2026年上半期の売却量は2万3000BTC超に達した。

もっとも、今回の移動がそのまま保有残高の大幅な縮小を意味するわけではない。MARA Digital Holdingsの保有量は同日時点で3万5577BTCとされ、上場企業の中でも上位5社圏内を維持している。8月初旬にも800BTC超を売却したが、3月以降は大口の一括売却より、小口の移動を重ねる傾向が続いているという。

市場では、マイニング企業の資金化姿勢が一段と鮮明になっている点にも注目が集まっている。マイニング企業はビットコイン市場の恒常的な売り手の一角とみられており、ブロック報酬を積み増すよりも、8万3000ドル(約1245万5000円)を超える価格帯で利益確定を優先しているとの見方が出ている。

MARA Digital Holdingsを巡っては、運営費の確保に加え、財務構成の見直しやAIデータセンター投資の拡大も売却の背景として取り沙汰されている。同社はデータセンター向けの電力確保規模を最大4.8GWまで拡大する目標を掲げており、HPC向けには液浸冷却システムの導入も進めている。

一方、株価はこうした事業転換への期待ほどには戻っていない。MARA Digital Holdings株は5月に14ドルを超えて年初来高値を付けたが、10月19日時点では7.53ドルまで下落した。他のマイニング関連株やAIデータセンター関連銘柄の軟調な値動きと歩調を合わせている。

株価下落を受け、空売り残高の重さも意識されている。足元では流通株の26%超に空売り残高が積み上がっているとされ、株主の一部は空売り株数が1億株に達したと指摘している。一部の取引主体や異例の売買パターンを問題視する声もあり、単なるヘッジではなく、MARA Digital Holdingsに対する強い弱気姿勢を映している可能性を懸念する見方も出ている。

今回のビットコイン移動は、保有資産の全面圧縮というより、マイニング収益、運営費、AIインフラ投資の間で資金を振り向けていることを示唆する動きといえそうだ。採掘設備の拡張とデータセンター事業への転換を並行して進める中、ビットコインの保有と売却のバランスは、引き続き同社の企業価値を左右する重要な要素となりそうだ。

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