Teslaの委任状公表を受け、SpaceXとの統合を巡る観測が広がっている。写真=Gemini

Teslaが2026年の年次株主総会に向けた委任状を公表し、SpaceXとの将来的な統合の可能性を巡る観測が広がっている。独立取締役とされるアイラ・エーレンプライス氏のSpaceX取締役就任に加え、イーロン・マスク氏の報酬条項や個人株主向けの自動投票制度が、将来の取引時に影響し得る論点として浮上した。

米電気自動車専門メディアElectrekが19日付で報じた。株主総会は12月3日、テキサス州のギガファクトリーで開く。主な議案は、イーロン・マスク氏、取締役会議長のロビン・デンホルム氏、JB・ストラウベル氏の再選、マスク氏の2025年報酬案に関する拘束力のない投票、監査法人PricewaterhouseCoopers(PwC)の選任など。株主提案は含まれていない。

取締役の任期をずらす現行体制も維持する。今年再選の対象となる3氏の任期は2029年までとなる見通しだ。

焦点の1つがマスク氏の報酬体系だ。委任状によると、2025年の報酬額は約1584億ドルと記載されたが、現金支給はない。この金額には成果連動報酬と、2025年8月に付与された中間報酬が含まれる。一方、Teslaは別表で、マスク氏が2025年に実現した報酬は0ドルだったと示した。

さらに、合併などで支配権の変更が起きた場合、報酬条件も変わる。通常は12の報酬トランシェについて、時価総額目標と事業運営目標の双方を満たす必要があるが、支配権変更時には事業運営目標が外れる仕組みだ。判定に用いる時価総額は、取引価格ベースの1株当たり価値と直前終値の高い方を基準に算定され、条件を満たした報酬は長期の達成期間を経ずに確定するとしている。

発行済み株式数39億5000万株を前提に、Teslaの企業価値が3兆ドルとなる取引が成立した場合、マスク氏はロボタクシーやOptimusに関する事業運営目標を達成していなくても、3つの報酬トランシェに相当する1億590万株を取得できるとの試算も示された。

個人株主向けの自動投票制度も新たな論点だ。Teslaは、ProxyvoteやRobinhoodを通じて議決権を行使する個人株主に対し、将来の株主総会で取締役会の勧告に従って投票する恒久的な設定を選べる仕組みを提示した。合併・買収などの特別議案は自動投票の対象から外すことも可能だが、取締役会勧告に反対する方向へ自動設定する選択肢は設けないとしている。この制度は今年12月の総会ではなく、次回総会から適用する。

取締役会とSpaceXの関係も注目されている。アイラ・エーレンプライス氏はTeslaの報酬委員会とガバナンス委員会の委員長を務め、取締役や経営陣の利益相反の可能性を検討する役割も担う。それにもかかわらず、Teslaは同氏を独立取締役に分類している。

マスク氏自身がSpaceXを率いるほか、Tesla取締役のキンバル・マスク氏もSpaceX取締役を務めた経歴がある。このため、Teslaの取締役9人のうち3人がSpaceXと接点を持つことになる。

Teslaは、SpaceXによるxAI買収後、従来のxAI向け投資20億ドルをSpaceXのクラスA株へ転換した。取引は3月12日に完了し、保有株式数は1899万195株、持ち分比率は1%未満という。またTeslaは、2025年にxAI向けで4億3010万ドル、SpaceX向けで1億4330万ドルの売上を計上した。大半はそれぞれMegapackと車両販売によるものだとしている。

TeslaとSpaceXの統合が実際に進むかどうかは不透明だ。ただ、マスク氏の報酬条項、取締役会の構成、自動投票制度といった要素が将来の取引に影響し得ることから、今回の委任状の内容はSpaceXとの合併観測を改めて呼ぶ材料になっている。

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