Tesla「Roadster」 写真=Tesla

Teslaの次世代電動スポーツカー「Roadster」の納車が長期化する一方、競合各社は実際に受注・購入できるEVの投入を進めている。EV市場では、派手なデモや将来構想よりも、量産して顧客に届ける力が競争力を左右する局面に入りつつある。

EVメディアのElectrekは19日、消費者の関心が未来技術を誇示するデモから、実際に購入できる製品へ移っていると報じた。

象徴的な事例がTeslaの2世代目Roadsterだ。Teslaは早い段階で次世代Roadsterを打ち出したが、予約購入者は長期間待たされており、車両を受け取れていない。

最近になってRoadsterのデモが改めて注目を集めたものの、Electrekは量産と納車が実現するかどうかは依然として不透明だと指摘した。

一方、電動ピックアップ市場では、実際に購入可能なモデルが増えている。消費者がディーラーで電動トラックを注文できる段階に入り、1トン級の積載能力を備えたデュアリー仕様のEVも登場した。

General Motors(GM)も電動駆動の3500デュアリーモデルを公開し、商用EVの選択肢を広げている。

高性能EVの分野でも、構想段階ではなく実車を前面に出す動きが続く。英EVメーカーのMcMurtryは、136万ドルの電動ファンカーの生産に入った。

同車はファンによって強力なダウンフォースを生み出し、車体が逆さまの状態でも走行できると紹介されている。未来技術のコンセプト提示にとどまらず、生産段階に入った点でRoadsterとは対照的だ。

飛行EVの開発競争でも、Tesla以外の企業が存在感を示している。Drolianは飛行車の開発を進め、飛行の実現可能性を示しているとされる。

Electrekは、飛ぶ、逆さまで走る、完全自動運転といった未来型EVを無条件に待つ必要はないとの趣旨で、競合の取り組みを紹介した。ただ、こうした技術の商用化の度合いや、一般消費者が購入できる段階にあるかどうかは、個別に見極める必要があるとしている。

消費者が実車に触れられる場も広がっている。EVスタートアップのSlate Autoは、米シカゴに初の試乗・体験センターを開設した。

車両を実際に確認し、体験できる拠点を設けることで、オンライン上の情報発信にとどまらず、購入前体験と販売体制の整備を進めている。

これらの事例に共通するのは、技術の話題性より実行力が重視され始めている点だ。新車発表やデモだけではなく、生産開始から受注、顧客への納車まで結び付けて初めて、事業としての成果につながる。

Roadsterは長らく未来型電動スポーツカーの象徴とみなされてきたが、長期にわたる発売遅延は、構想と実製品の隔たりを示す事例にもなった。一方、競合各社は電動ピックアップ、高性能EV、飛行車といった各分野で、具体的な製品と事業基盤の整備を進めている。

EV市場の次の競争は、より印象的な未来像を示せるかではなく、誰が先に製品を完成させ、顧客に届けられるかに移っている。TeslaがRoadsterの発売と納車を現実のものにできるか、競合が確保した製品力と生産力を市場拡大に結び付けられるかが、今後の焦点となる。

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