Cloudflareは19日(現地時間)、文書や画像から氏名、日付、金額などの情報を高速・低コストで抽出するAIモデル「Clairic」のプレビュー版を公開した。公式ブログで明らかにした。
Clairicは、CloudflareのAIプラットフォーム「Workers AI」で利用できる。今後は、誰でもダウンロードして使えるオープンウェイトとしても公開する計画だ。
同社はClairicを、「System 1」型のモデルに位置付けている。これはダニエル・カーネマン氏の著書「Thinking, Fast and Slow」に由来する考え方で、素早く正確に判断するモデルを指す。一方、推論や文章生成を担う大規模言語モデル(LLM)は「System 2」に相当すると説明している。
Clairicは、メールや領収書の画像といった未整理のデータから、氏名や日付、金額などを抽出する。文書内に明示されていない値も計算・推定でき、将来の数値を予測する用途にも対応するという。
LLMのように文字を1文字ずつ生成するのではなく、回答を一括で返す仕組みを採る。課金は入力データのみに発生し、多くのケースで1秒以内に結果を返せるとしている。該当する答えがない場合は、値を無理に補完せず「なし」と表示し、各回答には信頼度スコアも付与する。
例えば、顧客からの苦情メールに製品価格649ドルと税額52.1ドルが記載されていた場合、Clairicは両者を合算し、支払総額701.1ドルを算出する。配送日とメール作成日を照合し、経過日数を計算することもできるという。
Cloudflareは、Clairicで抽出した値を判断モデル「Clef」で判定し、LLMが返信文を生成する構成も試験した。全処理をLLM「GLM-5.3」単体で担わせた場合と比べ、処理速度は3.2倍、コストは49%低かったとしている。
一方で同社は、複数ステップを要する計算は現時点では不得手だと説明した。根拠のない値を適切に推定することは難しく、時系列予測も基礎的な水準にとどまるとしている。